「消防関係法令(共通)」6問の攻略
【誰に・いつまでに】
筆記30問のうち6問。他の類(乙4・乙7・甲種)でもそのまま出る、いちばん使い回しの効く科目です。ここに載せた内容はすべて e-Gov 法令検索で条文本文を確認しています。
最終確認:2026年8月18日 根拠:消防試験研究センター「試験の方法」・消防試験研究センター「試験科目及び問題数」・消防法 ほか
目次から選ぶ7の項目から読みたいところへ
共通・類別を合わせた法令10問で判定
合格の条件は3つあり、そのすべてを満たす必要があります。
| 筆記・科目ごと | 各科目40%以上 |
|---|---|
| 筆記・全体 | 30問中18問(60%)以上 |
| 実技(鑑別等) | 60%以上 |
法令の合否は共通6問+類別4問の計10問で判定します。40%を問数に換算すると4問です。共通法令だけの正答数で不合格が決まるわけではありません。
公式3科目の40%を問数に換算すると、法令4問・基礎2問・構造等(規格を含む)6問で計12問です。筆記全体の18問には、さらに6問が必要です。共通法令で5問を目指すのは学習目標の一例で、独立した合格基準ではありません。
試験時間は乙種で1時間45分です。内訳は試験科目と問題数にまとめています。
実際に出るのは「誰が・誰に・いつまでに」
合格ドリルの共通法令は29問です。この記事では、次の論点を整理します。
- 消防設備士免状(種類・交付・書換え・講習・効力)
- 消防用設備等の区分(消火・警報・避難ほか)
- 着工届/設置届と検査/点検・報告
- 工事整備の制限(無資格者の禁止)/設置・維持の義務
- 防火管理者/既存不遡及/検定制度
免状と設備の区分を確認し、届出の期限へ進む学習順の一例です。本番の出題頻度や得点を保証するものではありません。
図解で確認:届出は「誰が・誰に・いつまでに」:着工届10日前、設置届4日以内
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図解の参考:消防法第17条の14(図解追加:2026年9月10日)
届出先は3つしかない
この記事では手続きの相手先を3種類に整理します。
| 相手 | 何の手続きか |
|---|---|
| 消防長又は消防署長 | 着工届(着手の10日前まで・甲種消防設備士が)/設置届と検査(工事完了後・関係者が)/点検結果の報告/防火管理者の選任・解任 |
| 都道府県知事 | 免状の交付・書換え・再交付・返納命令/講習 |
| 総務大臣/日本消防検定協会 | 型式承認は総務大臣、型式適合検定は日本消防検定協会(又は登録検定機関) |
建物にあるもののことは消防長・消防署長、免状のことは都道府県知事。この一言でほとんど解けます。
着工届と設置届は、出す人も時期も違います。着工届は甲種消防設備士本人が着手の10日前まで、設置届は関係者が工事完了後です。乙種は工事ができないので、着工届を出す場面もありません。
点検結果の報告は「定期に」ですが、報告の間隔は用途で分かれます。特定防火対象物(劇場・飲食店・百貨店・旅館・病院・地下街など)は1年に1回、それ以外は3年に1回です(施行規則第31条の6第3項)。
免状まわりの細かい数字
免状については、書換え・再交付などの手続きと条件を条文で確認します。
| 項目 | 条文の内容 |
|---|---|
| 免状の種類 | 甲種と乙種の2種類(丙種はない・法第17条の6) |
| できること | 甲種=工事と整備/乙種=整備のみ |
| 乙種だけにある類 | 第6類(消火器)と第7類(漏電火災警報器)。甲種は特類と第1〜5類だけ(施行規則第33条の3) |
| 交付 | 都道府県知事(法第17条の7)。効力は全国 |
| 書換えの相手 | 免状を交付した知事又は居住地・勤務地を管轄する知事(施行令第36条の5) |
| 再交付の相手 | 免状の交付又は書換えをした都道府県知事(施行令第36条の6) |
| なくした免状を見つけたら | 10日以内に再交付をした知事へ提出 |
| 免状に載る写真 | 過去10年以内に撮影したもの(施行規則第33条の5第2項) |
| 講習(1回目) | 免状の交付を受けた日以後最初の4月1日から2年以内 |
| 講習(2回目以降) | 受けた日以後最初の4月1日から5年以内ごと(施行規則第33条の17) |
| 免状を交付しないことができる | 返納命令から1年/罰金以上の刑から2年 |
危険物取扱者の保安講習が「取扱作業に従事している人」だけなのに対し、消防設備士の講習は免状を持っている人が全員対象です。働いていなくても受けなければなりません。ここは違いで問われます。
免状の中身をもう少し詳しく見たい方は消防設備士免状と講習へ。
図解で確認:免状は甲・乙の2種類、交付は知事、講習は「持っている人全員」
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図解の参考:消防法第17条の6(図解追加:2026年9月10日)
消防用設備等の区分は「3階建て」で覚える
2番目に多い論点です。まず大きく3つに分かれ、そのうち1つがさらに3つに分かれます。
| 消防用設備等(施行令第7条) | |
|---|---|
| 消防の用に供する設備 | 消火設備…消火器具、屋内消火栓、スプリンクラー、泡・不活性ガス・粉末消火設備、屋外消火栓 |
| 警報設備…自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、漏電火災警報器、非常警報設備 | |
| 避難設備…避難はしご、救助袋、緩降機、誘導灯、誘導標識 | |
| 消防用水 | 防火水槽、これに代わる貯水池 |
| 消火活動上必要な施設 | 排煙設備、連結散水設備、連結送水管、非常コンセント設備、無線通信補助設備 |
出題は区分をまたいだ選択肢ばかりです。連結送水管・排煙設備は「消火設備」ではなく消火活動上必要な施設、防火水槽は消防用水。この2つを取り違えないだけで、かなりの確率で正解できます。
見分け方は「誰が使うか」です。建物の人が使うものが消防の用に供する設備、消防隊が使うものが消火活動上必要な施設と考えると迷いません。
図解で確認:消防用設備等は「3階建て」:消防の用に供する設備・消防用水・消火活動上必要な施設
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図解の参考:消防法施行令第7条(図解追加:2026年9月10日)
消火器だけの特別扱い(乙6ではここが出る)
共通法令の中に、消火器を扱う乙6だからこそ問われる論点が2つあります。
1つめは、基準が改正されたときの扱いです。消防法第17条の2の5は、基準が改正されても既存の建物には適用しない(不遡及)と定めていますが、その条文の括弧書きが効いてきます。
現に存する同条第一項の防火対象物における消防用設備等(消火器、避難器具その他政令で定めるものを除く。)…がこれらの規定に適合しないときは、当該消防用設備等については、当該規定は、適用しない。
除かれている=消火器は改正後の基準がさかのぼって適用される側です。「原則不遡及」だけ覚えていると、この問題を落とします。政令(施行令第34条)で追加されているのは簡易消火用具、漏電火災警報器、非常警報器具・設備、誘導灯・誘導標識などです。
2つめは、消火器に「工事」がないことです。資格が必要な工事を並べた施行令第36条の2第1項に、消火器は入っていません。整備を並べた第2項にだけ「二 消火器」と出てきます。だから消火器には甲種の区分がなく、乙6が消火器についての上限になります。
ちなみに「軽微な整備」として資格が要らないとされているのは、屋内・屋外消火栓設備のホースやノズル、ネジ類の交換などです(施行規則第33条の2の2)。消火器はここに含まれていませんので、消火器の整備は資格者の仕事です。
図解で確認:検定は2段階、基準改正は原則遡らない(消火器は例外)、有資格者点検は1,000㎡以上
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図解の参考:消防法第21条の2(図解追加:2026年9月10日)
やる順番と、そのあとの練習
- 免状(種類・甲乙の違い・交付する人・講習)……ここだけで2〜3問
- 消防用設備等の3区分……区分をまたいだ選択肢に慣れる
- 届出の相手と期限……着工届10日前・設置届は関係者、の2点セット
- 消火器の特別扱い(遡及・工事がない)……乙6ならではの1問
- 検定制度(型式承認=設計/型式適合検定=個々の製品)と防火管理者
読んで分かった気になっても、選択肢の形で出されると迷います。消防関係法令(共通)の練習問題29問で、条文の言い回しごと確かめてください。1問ずつ解説と条文の出どころが付いています。
共通法令は乙4・乙7・甲種でもそのまま同じ科目です。ここに使った時間は、次の類を受けるときにそのまま残ります。乙6の次に取るならもあわせてどうぞ。
編集:合格ドリル運営者|作成と検証の手順は運営者情報に、 誤りを見つけた場合の訂正は訂正履歴で公開しています。
科目ごとに問題を解く
次にやること
消防設備士 乙種第6類のページに、ほかの解説記事もまとめています。