「基礎的知識(機械)」5問の攻略
【捨てずに2問を確保する】
筆記30問のうち5問。「力学が出るから無理」と身構える人が多い科目ですが、実際に出る計算は2つの式に集中しています。捨てるのではなく、出る型だけ拾うのが現実的です。
最終確認:2026年8月18日 根拠:消防試験研究センター「過去に出題された問題」・消防試験研究センター「試験の方法」・消防試験研究センター「試験科目及び問題数」 ほか
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基礎的知識5問は2問が40%に相当
| 問題数 | 5問 |
|---|---|
| 足切り(40%) | 2問(2÷5=ちょうど40%) |
| 1問しか取れないと | 20%……その時点で不合格 |
基礎的知識は公式の判定科目の一つで、5問中2問が40%に相当します。法令は共通・類別を合わせた10問、構造等は規格を含む15問で判定します。学習用の5分類を別々の足切りと混同しないでください。
ただし「捨てる」は選べません。0問でも1問でも不合格が確定します。捨てるのではなく後回しにして、確実に2問を取りにいく——これがこの科目の正しい向き合い方です。
そのぶんの穴は、暗記で稼げる規格6問と共通法令6問で埋めます。全体18問というラインは、科目ごとの得意不得意を持ち寄って越えるものです。
この記事で整理する論点
合格ドリルの基礎的知識(機械)は16問です。この記事では、次の論点を整理します。
- 力学(応力・運動エネルギー・モーメント・荷重の種類)
- 材料(熱処理・展性と延性・じん性)
- 気体(理想気体・ボイル・シャルルの法則)
- 流体(連続の式)
計算式だけでなく、材料や力の用語も整理しましょう。以下では応力と運動エネルギーの計算例を扱います。本番の出題頻度や得点を保証するものではありません。
応力と運動エネルギーの計算例
ここでは、次の2つの型を練習します。
型1:応力=荷重÷断面積
| 問題 | 断面積400mm²の棒に50,000Nの圧縮荷重を加えたときの圧縮応力は? |
|---|---|
| 計算 | 50,000 ÷ 400 = 125 N/mm² |
| 答え | 125MPa |
ここでつまずくのは計算ではなく単位です。1 N/mm² = 1 MPa。この1行を知っていれば、割り算した数字がそのまま答えになります。断面積を求める逆算の形でも出ます。
型2:運動エネルギー=½ × 質量 × 速さ²
| 問題 | 質量2,000kgの台車が時速72kmで走っているときの運動エネルギーは? |
|---|---|
| 手順1 | 時速を秒速に直す:72 ÷ 3.6 = 20 m/s |
| 手順2 | 0.5 × 2,000 × 20 × 20 = 400,000 J |
| 答え | 400kJ |
こちらもつまずくのは単位です。km/h は 3.6 で割って m/s に直す。これを忘れると桁が合いません。速さが2乗で効くので、速さが2倍ならエネルギーは4倍になります。
この2つの式と2つの単位換算(N/mm²=MPa、km/h÷3.6=m/s)を型として覚えてしまえば、計算問題は怖くありません。暗算できる数字しか出ません。
図解で確認:基礎の計算は2つ:応力=荷重÷断面積、運動エネルギー=½mv²
図を拡大する +
図解の参考:消防試験研究センター「過去に出題された問題」消防設備士 乙種 問18(図解追加:2026年9月10日)
計算なしで取れる3つ(ここを先にやる)
まず手を付けるべきは、計算のいらないところです。
熱処理(4つ)——炭素鋼をどう熱してどう冷やすかで名前が変わります。
| 焼入れ | 高温から急冷。硬く強くなるが、もろくなる |
|---|---|
| 焼もどし | 焼入れのあと低めの温度で加熱。ねばりを戻す |
| 焼なまし | ゆっくり冷やす。軟らかくして加工しやすくする、内部のひずみを取る |
| 焼ならし | 加熱後に空気中で冷やす。組織を均一にする |
見分けは冷やし方です。急に冷やす=焼入れ、これだけ確実に覚えれば、対になる焼もどしも一緒に出てきます。
材料の性質(5つ)——言葉の入れ替えで出ます。
- 展性……たたいて薄く広げられる(金ぱくの「ぱく」)
- 延性……引き伸ばして線にできる(延ばす)
- 弾性……力を除けば元に戻る
- 塑性……力を除いても変形が残る
- じん性……粘り強さ。衝撃に耐える性質で、硬さとは別物
「展性=引き伸ばす」「じん性=硬さ」といった入れ替えが定番です。硬さとじん性は別の性質です。硬さだけで、衝撃への強さやもろさを判断しないようにします。
気体と流体(2つの法則)
| 理想気体 | ボイル・シャルルの法則が完全に成り立つ気体。分子の体積や分子間の力を無視できるものとして扱う |
|---|---|
| ボイルの法則 | 温度が一定なら、圧力と体積は反比例 |
| シャルルの法則 | 圧力が一定なら、体積は絶対温度に比例。合わせて PV/T =一定 |
| 連続の式 | 断面積A × 流速v = 流量Q が、どの断面でも等しい |
連続の式は理屈で覚えられます。途中で水が増えも減りもしないなら、どの断面を通る量も同じ。だから管が細くなれば流速は速くなります。ノズルの先を絞ると勢いよく飛ぶのがこれです。
図解で確認:計算なしで取る:モーメント・滑車・荷重の種類・材料の用語・熱処理・気体・連続の式
図を拡大する +
図解の参考:材料の用語は九州大学の研究発表・用語解説(延性・靭性)を参照(2026年9月20日確認)。力学・熱処理は各項の説明を参照。
荷重とモーメント(残りの1問ぶん)
力学のうち、計算を伴わない部分です。
| 引張荷重 | 引き伸ばす向き |
|---|---|
| 圧縮荷重 | 押し縮める向き |
| せん断荷重 | ずらす向き(はさみで切るときの力) |
| 曲げ荷重 | 曲げる向き |
| ねじり荷重 | ねじる向き |
力のモーメント=力の大きさ × 回転の中心から力の作用線までの距離(単位はN・m)。同じ力でも支点から遠いところに加えるほど大きく回せます。スパナの柄が長いほど締めやすいのがこれです。
なお、応力=荷重÷断面積という関係は、どの荷重でも共通です。消火器の本体容器は内側から押される力を受けるので、耐圧性能が規格で問われる——という形で、この科目は構造・機能・整備とつながっています。
やる順番と、そのあとの練習
- 熱処理4つと材料の性質5つ……計算なしで取れる。ここだけで1〜2問
- 荷重5種類とモーメント……言葉の意味だけ
- 理想気体・ボイル・シャルル・連続の式……理屈で覚える
- 応力=荷重÷断面積(N/mm²=MPa)
- 運動エネルギー=½mv²(km/h÷3.6=m/s)
1と2を学んだら、3から5も含めて科目全体の理解度を確認します。一部の論点だけで2問取れるとは限りません。「計算が苦手だから機械は無理」と最初から諦めるのが、いちばんもったいない進め方です。
単位の換算は、手を動かさないと身に付きません。基礎的知識(機械)の練習問題16問で、実際に出た形の計算を解いてみてください。1問ずつ計算の途中式が付いています。
科目ごとの配点全体を見直したい方は乙6の勉強のしかたもどうぞ。
編集:合格ドリル運営者|作成と検証の手順は運営者情報に、 誤りを見つけた場合の訂正は訂正履歴で公開しています。
科目ごとに問題を解く
次にやること
消防設備士 乙種第6類のページに、ほかの解説記事もまとめています。