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ボイラー整備士とボイラー技士の違い
【条文で確認】

名前が似ているので混同されますが、ボイラー技士は「取扱い(運転)」、ボイラー整備士は「整備」の免許です。片方を持っていても、もう片方の仕事はできません。どこで線が引かれているか、条文で確かめます。

最終確認:2026年8月18日 根拠:労働安全衛生法・労働安全衛生法施行令・ボイラー及び圧力容器安全規則 ほか

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入口は施行令 第20条:取扱い・溶接・整備は「別の号」

労働安全衛生法 第61条は、政令で定める業務には免許を受けた者などでなければ就かせてはならない、と定めています(就業制限)。その業務を並べているのが労働安全衛生法施行令 第20条で、ボイラーに関する業務は3つの号に分かれています。

号業務必要な免許(ボイラー及び圧力容器安全規則)
第3号ボイラー(小型ボイラーを除く)の取扱いの業務ボイラー技士(特級・一級・二級)── 第23条
第4号ボイラー又は第一種圧力容器の溶接の業務特別・普通ボイラー溶接士 ── 第9条・第55条
第5号ボイラー又は第一種圧力容器の整備の業務ボイラー整備士 ── 第35条・第70条

同規則 第35条はこう書いています。「事業者は、令第20条第5号の業務のうちボイラーの整備の業務については、ボイラー整備士免許を受けた者でなければ、当該業務につかせてはならない。」第一種圧力容器の整備についても第70条に同じ定めがあります。ボイラー技士免許では、この条文を満たせません。

「整備」とは何か

「整備」という言葉そのものを定義した条文はありません。ただ、手がかりはあります。同規則 第114条の2は、整備士免許を与えられない場合の説明のなかで、この免許の業務に必要な作業として「ボイラーの掃除又は附属品の分解等」を挙げています。

試験科目にも「ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に関する知識」があり、公表されている試験問題では、ドラムや水管の清浄、化学洗浄、性能検査に向けた水圧試験、安全弁・圧力計・温度調節器の点検整備が出ています。ボイラーを止めて、中に入り、掃除し、附属品を外して点検し、検査に備える──それが整備の仕事です。

いっぽうボイラー技士の科目は「構造」「取扱い」「燃料及び燃焼」「関係法令」で、火をたいて蒸気や温水をつくる側の知識が中心です。同じボイラーでも、見ている場面が違います。

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整備士が「要らない」ボイラーの範囲は、技能講習の範囲と同じ

施行令 第20条第5号は、次のボイラーを整備士が必要な範囲から除いています。

除かれるボイラー
イ胴の内径が750mm以下で、かつ、長さが1,300mm以下の蒸気ボイラー
ロ伝熱面積が3㎡以下の蒸気ボイラー
ハ伝熱面積が14㎡以下の温水ボイラー
ニ伝熱面積が30㎡以下の貫流ボイラー(気水分離器がある場合は、内径400mm以下かつ内容積0.4㎥以下のものに限る)

この「イからニ」は、ボイラー技士でなくてもボイラー取扱技能講習の修了者が取り扱える範囲(同規則 第23条第2項)と同じ線です。つまり法令は、小さめのボイラーについては「運転も整備も、免許までは求めない」という一本の線を引いています。

公表問題の関係法令では、伝熱面積や胴の寸法を並べて「整備士免許が要るのはどれか」を選ばせる問題が出ています。この表の数値はそのまま試験に直結します。

図解で確認:整備士免許が「要らない」ボイラーの範囲

免許が不要な蒸気ボイラー=胴の内径750mm以下かつ長さ1300mm以下のもの、または伝熱面積3m²以下のもの。免許が不要な温水ボイラー=伝熱面積14m²以下(15m²なら免許が要る)。免許が不要な貫流ボイラー=伝熱面積30m²以下。ただし気水分離器があるものは内径400mm以下かつ内容積0.4m³以下に限る(内径500mm・0.5m³は免許が要る)。境目の数字ちょうどは「以下」に含まれるので免許不要。この範囲を超えるボイラーの整備は、原則ボイラー整備士でなければ就かせられない。
図解の要点:免許が不要な蒸気ボイラー=胴の内径750mm以下かつ長さ1300mm以下のもの、または伝熱面積3m²以下のもの/免許が不要な温水ボイラー=伝熱面積14m²以下(15m²なら免許が要る)/免許が不要な貫流ボイラー=伝熱面積30m²以下。ただし気水分離器があるものは内径400mm以下かつ内容積0.4m³以下に限る(内径500mm・0.5m³は免許が要る)▶ この論点を含む「関係法令」を5問解く(無料・登録不要)
図を拡大する +
図解の参考:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」ボイラー整備士 問19(図解追加:2026年9月10日)

両方持つとどうなるか:免除は「技士→整備士」の一方向だけ

ボイラー技士(二級)ボイラー整備士
できる業務ボイラーの取扱い(運転)ボイラー・第一種圧力容器の整備
試験の受験資格不要不要
免許の条件実地修習・実技講習などのいずれか(詳しくはこちら)整備の業務などに6か月以上の経験(詳しくはこちら)
もう一方の試験での免除技士免許があると整備士試験の「ボイラーの知識」10問が免除整備士免許があっても技士試験の免除はなし

免除は技士を先に取った人だけが受けられます。協会の二級ボイラー技士のページでは免除科目は「なし」です。両方を取るつもりなら、技士→整備士の順に受けるほうが試験の量は減ります。

受験者数と合格率を並べる

試験区分(令和7年度)受験者数合格者数合格率
二級ボイラー技士21,349人11,303人52.9%
ボイラー整備士2,730人1,733人63.5%

受験者数は二級技士のほうが8倍近く多く、合格率は整備士のほうが11ポイントほど高い結果でした。整備士の合格率が高い背景(免許に経験が要る・技士に免除がある)は 合格率の記事 で説明しています。ボイラー技士の合格率は こちら。

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出典
・労働安全衛生法(e-Gov法令検索)
・労働安全衛生法施行令(e-Gov法令検索)
・ボイラー及び圧力容器安全規則(e-Gov法令検索)
・同協会「ボイラー整備士のご紹介(試験科目・受験資格・免除)」
・安全衛生技術試験協会「免許試験の合格率(令和7年度)」
上記を2026年8月18日に確認して作成しています。制度は変更される場合があるため、 受験にあたっては必ず公式の最新情報をご確認ください。

編集:合格ドリル運営者|作成と検証の手順は運営者情報に、 誤りを見つけた場合の訂正は訂正履歴で公開しています。

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