衛生管理者の選任義務
【常時50人以上】
衛生管理者が10万人以上に受験されているのは、法律で置くことが義務づけられているからです。根拠となる条文を確認します。
最終確認:2026年8月18日 根拠:労働安全衛生法・労働安全衛生法施行令・労働安全衛生規則 ほか
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常時50人以上の事業場に選任義務
労働安全衛生法第12条は、政令で定める規模の事業場ごとに衛生管理者を選任しなければならないと定めています。その「政令で定める規模」が、同法施行令第4条です。
法第12条第1項の政令で定める規模の事業場は、常時50人以上の労働者を使用する事業場とする。
ポイントは「会社ごと」ではなく「事業場ごと」だという点です。本社・工場・支店がそれぞれ50人以上なら、それぞれに衛生管理者が必要です。会社全体で1人置けば済む話ではありません。
これが、企業が社員に資格取得を求める理由です。人数が50人を超えた事業場では、資格を持つ人が社内にいないと法令違反になります。
規模が大きいほど人数も増える
労働安全衛生規則第7条第1項第4号は、事業場の規模に応じた最低人数を定めています。
| 常時使用する労働者数 | 衛生管理者の数 |
|---|---|
| 50人以上200人以下 | 1人 |
| 200人を超え500人以下 | 2人 |
| 500人を超え1,000人以下 | 3人 |
| 1,000人を超え2,000人以下 | 4人 |
| 2,000人を超え3,000人以下 | 5人 |
| 3,000人を超える場合 | 6人 |
さらに、常時1,000人を超える事業場では、衛生管理者のうち少なくとも1人を専任(他の仕事と兼ねず、衛生管理者の仕事に専念する)にしなければなりません。常時500人を超える事業場で、坑内労働などに常時30人以上を従事させている場合も同じです。
その500人超の事業場では、衛生管理者のうち1人を衛生工学衛生管理者免許を持つ者から選任する必要もあります。
選任は14日以内・原則は専属
| いつまでに | 選任すべき事由が発生した日から14日以内 |
|---|---|
| 誰を | その事業場に専属の者(原則) |
| 報告先 | 所轄労働基準監督署長に遅滞なく報告 |
専属とは、その事業場だけに所属していることです。専任(他の業務を兼ねない)とは意味が違います。専属は「どこの人か」、専任は「何をする人か」の話です。試験でも実務でも混同しやすいところです。
専属の例外があります。2人以上を選任する場合で、そのなかに労働衛生コンサルタントがいるときは、そのうち1人は専属でなくてもかまいません。
免許を持つ者のほか、医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントなども衛生管理者になれます(労働安全衛生規則第10条)。ただし社内でその人を確保するのは簡単ではないため、実務では免許取得が現実的な選択肢になります。
選ばれた後の仕事:毎週1回の巡視
衛生管理者は、少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
これが衛生管理者の中心的な仕事です。頻度は毎週1回以上で、産業医の巡視(原則として毎月1回)より高い頻度です。数字を入れ替えた選択肢が試験でよく出ます。
また事業者は、衛生管理者に対し衛生に関する措置をなし得る権限を与えなければなりません。名前だけ登録して終わり、という運用は条文が想定していません。
選任義務があり、事業場ごとに必要で、規模に応じて人数も増える。この構造が、受験者10万人超という規模を生んでいます。第一種と第二種の違いで、自分の勤務先にどちらが必要かを確認してください。
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