「構造・機能・整備」9問の攻略
【配点が最大の科目】
筆記30問のうち9問。学習用の5分類では最も問題数が多い範囲です。ここで7〜8問取れると、全体18問というラインがぐっと楽になります。
最終確認:2026年8月18日 根拠:消火器の技術上の規格を定める省令・消防法・消防法施行規則 ほか
目次から選ぶ7の項目から読みたいところへ
9問は「守る科目」ではなく「稼ぐ科目」
| 問題数 | 9問(筆記30問の30%) |
|---|---|
| 公式の判定単位 | 構造等9問+規格6問=15問。40%は計6問に相当 |
| 狙いたい | 7問 |
公式3科目の40%を問数に換算した合計は12問で、筆記全体の18問には6問の上積みが必要です。構造等9問だけに独立した足切りはなく、規格6問と合わせて判定します。7問を狙うのは学習目標の一例です。
内容も、規格や法令のように条文の数値を覚えるだけではなく、「なぜそうなっているか」で筋が通るものが多い科目です。実物の消火器を思い浮かべながら進めると定着します。
この記事で整理する論点
合格ドリルの構造・機能・整備は24問です。この記事では、次の論点を整理します。
- 消火器の種類と適応火災・消火作用
- 整備(資格の範囲・腐食の扱い・廃棄)
- 点検(外観点検の範囲・圧力計の読み方・報告)
- 加圧方式(蓄圧式・ガス加圧式・反応式)
- 設置(高さ・標識・置き場所)
- 部品ごと(ホース・保持装置・指示圧力計・液面表示)
種類と加圧方式を土台にすると、点検や整備を仕組みと結び付けて学べます。本番の出題頻度や得点を保証するものではありません。
図解で確認:消火器の種類と適応火災:ABC粉末だけ全部に効く
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図解の参考:消防試験研究センター「過去に出題された問題」消防設備士 乙種 問29(図解追加:2026年9月10日)
加圧方式の3つは、圧力計の有無で見分ける
| 方式 | 仕組み | 指示圧力計 | 残量の確認 |
|---|---|---|---|
| 蓄圧式 | 本体にあらかじめ圧縮気体を入れておく | あり | 圧力計の針が緑の範囲か |
| ガス加圧式 | 使うときに加圧用ガス容器の封板を破る | なし | 加圧用ガス容器の質量 |
| 反応式(化学泡) | 転倒させて内筒と外筒の薬剤を混ぜ、反応で出るガスで放射 | なし | 薬剤の性状・液面表示 |
指示圧力計があれば蓄圧式、なければガス加圧式。ふだん圧力がかかっていないガス加圧式に、圧力計を付ける意味はありません。この1点が分かっていれば、方式を問う問題はほぼ落としません。
ただし例外が2つあります。規格省令第28条は、蓄圧式でも二酸化炭素消火器とハロン1301消火器には指示圧力計を求めていません。中で消火剤が液体になっていて、圧力を見ても残量が分からないためです。この2つは総質量を量って確認します。
化学泡だけ使用温度範囲が5〜40℃(他は0〜40℃)と狭いのも、化学反応を使う方式だからです。低温では反応が進みません。方式が分かれば数値の理由まで分かるのがこの科目の特徴です。
種類ごとの適応火災と消火作用は消火器の種類と適応火災に表でまとめています。
図解で確認:加圧方式は3つ:蓄圧式・ガス加圧式・化学泡。圧力計の有無で見分ける
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図解の参考:消火器の技術上の規格を定める省令 第28条(図解追加:2026年9月10日)
点検は「いつ中を開けるか」が問われる
点検の中身は、消防庁告示(昭和50年消防庁告示第14号)の別表第1「消火器具の点検の基準」に書かれています。外から見るだけの段階と、中を開ける段階が分かれているのが要点です。
| 段階 | いつ行うか |
|---|---|
| 設置状況・表示・外形の確認 | 機器点検のたび(外から見る範囲) |
| 内部及び機能の確認 | 製造年から3年を経過したもの(化学泡は設置後1年、蓄圧式は製造年から5年)/または外形の点検で安全栓・封・緊結部に異常が見つかったもの |
| 耐圧性能(水圧をかける) | 製造年から10年を経過したもの/または本体容器に腐食などが認められたもの。ただし前回から3年たっていないものは除く |
数字は3・5・10の3つです。加圧式は3年、蓄圧式は5年、耐圧試験は10年。蓄圧式のほうが長いのは、圧力計で状態が常に見えているからだと考えると忘れません。
この基準からは二酸化炭素消火器とハロゲン化物消火器が除かれています(高圧ガス保安法の世界で別に管理されるため)。ここも問われます。
点検の周期と報告の周期は別物です。消防庁の資料では機器点検が半年に1回、総合点検が1年に1回、報告が特定用途は1年に1回・非特定用途は3年に1回とされています。なお消火器具の点検の基準に定められているのは機器点検だけです。
外観点検で見る項目は消火器の点検と整備にまとめています。
図解で確認:点検は「外から見る」と「中を開ける」、整備は「してはいけないこと」から
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図解の参考:消防庁「消火器具の点検の基準」。廃棄時の注意は消防庁「老朽化した消火器の取扱いについて」(2026年9月20日確認)
整備は「してはいけないこと」から覚える
整備の問題は、正しい手順を問うよりやってはいけないことを混ぜてくる形が多いところです。
本体容器に著しい腐食があるものは廃棄します。削って塗り直す、補修材を貼る、薬剤だけ詰め替えて使う——これらはすべて誤りです。本体容器は内側から圧力を受ける部分で、腐食して薄くなっていると使用時に破裂するおそれがあります。
廃棄のときも、内部に圧力が残っていることがあります。自分で放射・解体せず、廃棄処理を行う専門業者に依頼してください。消防庁は、腐食した消火器を操作すると破裂する危険があるとして、レバーを握ることや衝撃を与えることも避けるよう案内しています(消防庁「老朽化した消火器の取扱いについて」)。
どこからが資格者の仕事かも定番です。消防法第17条の5は、免状の交付を受けていない者は政令で定める工事(設置に係るもの)又は整備を行ってはならないと定めています。
| 資格が必要 | 消火薬剤の詰替えを伴う整備、分解を伴う点検・整備 |
|---|---|
| 資格が不要 | 外から見ての確認、設置場所の清掃、標識の貼り替え |
「軽微な整備」として資格が不要とされているのは、屋内・屋外消火栓設備のホースやノズル、ネジ類の交換などです(施行規則第33条の2の2)。消火器はここに入っていません。つまり消火器の整備はまるごと消防設備士の仕事です。
そして消火器には「工事」の区分がありません(施行令第36条の2第1項に消火器がない)。だから消火器に甲種はなく、乙6が消火器についての上限になります。
部品ごとの「例外」を押さえる
残りは部品ごとの規定です。どれも「原則」と「例外」がセットになっています。
| 部品 | 原則 | 例外(要らない・付かない) |
|---|---|---|
| ホース | 取り付ける | 粉末消火器で消火剤1kg以下、ハロゲン化物消火器で4kg未満(規格省令第15条) |
| 保持装置 | 手さげ式に設け、容易に取りはずせる構造にする | 鉛直に置けるもの、自動車用消火器(第22条) |
| 指示圧力計 | 蓄圧式に設ける | 二酸化炭素消火器、ハロン1301消火器(第28条) |
| 液面表示 | 薬剤を水に溶かして詰めるものに設ける | 粉末・ガス系(液体ではないので成り立たない・第18条) |
| 使用済の表示装置 | 手さげ式に設ける | 指示圧力計のある蓄圧式、バルブを持たないもの、手動ポンプ式の水消火器(第21条の2) |
例外にはどれも理由があります。別の方法で分かるなら要らない(圧力計があれば使用済の表示は不要)、成り立たないものは求めない(粉末に液面表示はない)。理由で覚えると、知らない選択肢が出ても判断できます。
設置についても2つだけ。床面から1.5m以下に置くこと、「消火器」と表示した標識を見やすい位置に設けることです(施行規則第9条)。直射日光や雨がかかる場所は、本体の腐食と薬剤の劣化を招くので避けます。
やる順番と、そのあとの練習
- 加圧方式3つ(指示圧力計の有無で見分ける)
- 種類ごとの適応火災と消火作用(水系=冷却/粉末=抑制/ガス=窒息)
- 点検の3・5・10(加圧式3年・蓄圧式5年・耐圧10年)
- 整備でしてはいけないこと(著しい腐食は廃棄)と資格の範囲
- 部品ごとの例外(ホース・保持装置・液面表示・使用済の表示)
1と2ができた時点で、9問中4〜5問は届きます。3以降を足して7問を狙ってください。
構造・機能・整備の練習問題24問で、実際の選択肢の形に慣れておきましょう。この科目は実技(鑑別等)の土台でもあります。写真を見て器具の名前と用途を答える実技は、ここで覚えた内容がそのまま出てきます。
編集:合格ドリル運営者|作成と検証の手順は運営者情報に、 誤りを見つけた場合の訂正は訂正履歴で公開しています。
科目ごとに問題を解く
次にやること
消防設備士 乙種第6類のページに、ほかの解説記事もまとめています。