乙4の次に取る資格
【乙種他類は10問35分・甲種は「4種類」で受験資格】
乙4に受かると、それまで「受験資格なし・35問」だった試験の見え方が変わります。他の乙種は10問・35分だけで受けられ、乙種を4種類そろえると甲種の受験資格ができるからです。ここでは乙4合格後に開ける道を、消防法・危険物の規制に関する規則の条文と、消防試験研究センターの公式情報で確かめながら並べます。「どれを取るべきか」の一般論は甲種・乙種・丙種の違いに書いたので、こちらは「乙4を持っている人の次の一手」に絞ります。
最終確認:2026年8月18日 根拠:危険物の規制に関する規則・消防法・同センター「甲種危険物取扱者試験の受験資格」 ほか
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まず前提:免状を「交付されて」から次の道が開く
合格しただけでは、まだ乙4の「危険物取扱者」ではありません。消防法 第13条の2第3項で、免状は試験に合格した者に対し、都道府県知事が交付するものです。そして後で出てくる科目免除も甲種の受験資格も、条文はすべて「乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者」を条件にしています。
合格通知が来たら、まず免状の交付申請。次の試験に免除を使うのは、免状が手元に届いてからです。免状のその後の手続き(書換え・再交付・保安講習)は免状の記事にまとめています。
道1:乙種の他の類は「性質・消火10問・35分」で受けられる
危険物の規制に関する規則 第55条第6項に、こう書かれています。
一種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者で、他の種類の乙種危険物取扱者試験を受けるものについては、第二項第一号及び第三号の試験科目を免除するものとする。
第1号が「基礎的な物理学及び基礎的な化学」、第3号が「危険物に関する法令」です。つまり乙4の免状があれば、乙1・2・3・5・6を受けるとき法令15問と物理化学10問がまるごと免除され、残るのは「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」10問だけ。センターの案内では試験時間は35分です。
合格基準は変わらず「科目ごとに60%以上」なので、10問中6問で合格です。免除された科目は判定に含まれません(規則 第55条の2)。
| 種類(令和7年度) | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 乙種第1類(酸化性固体) | 7,931人 | 65.7% |
| 乙種第2類(可燃性固体) | 8,840人 | 66.0% |
| 乙種第3類(自然発火性・禁水性) | 10,275人 | 65.1% |
| 乙種第5類(自己反応性) | 10,972人 | 62.1% |
| 乙種第6類(酸化性液体) | 10,402人 | 67.6% |
| (参考)乙種第4類 | 222,545人 | 31.9% |
乙4以外の類はどれも合格率が6割台で、乙4(31.9%)の約2倍です。他の類の受験者には、免状を使って性質・消火の10問だけを受ける人が含まれています。乙4で法令と物理化学を通した人にとって、他の類は「その類の物質の性質を10問分覚える」だけの試験になります。
もう1つ便利な条文があります。規則 第55条第4項は、同時に2種類以上の乙種を受ける場合、1種類ぶんの物理化学と法令で他の種類の同じ科目を兼ねられる、としています。免状を待たずに、最初から複数の類を同じ日に受ける道もあるということです。実施しているかどうかは受験する県の案内で確認してください。
道2:甲種は「乙種4種類」か「実務経験2年」で受験資格
甲種には受験資格があります。消防法 第13条の3第4項と、危険物の規制に関する規則 第53条の3、センターの案内をまとめるとこうなります。
| 甲種の受験資格 | 根拠 |
|---|---|
| 大学等で化学に関する学科・課程を修めて卒業 | 消防法 第13条の3第4項第1号 |
| 大学等で化学に関する授業科目を15単位以上修得 | 規則 第53条の3第2号・第3号 |
| 乙種免状の交付後、危険物取扱いの実務経験2年以上 | 消防法 第13条の3第4項第2号 |
| 乙種免状を「1類または6類」「2類または4類」「3類」「5類」の4種類以上 | 規則 第53条の3第5号 |
| 化学に関する事項を専攻した修士・博士 | 規則 第53条の3第4号 |
学歴のルートがない社会人にとって現実的なのは下の2つです。乙4の免状を持っている人は、すでに「2類または4類」の枠を1つ埋めています。あと乙3・乙5・乙1(または乙6)の3つをそろえれば、実務経験がなくても甲種を受けられます。この3つは、上で見たとおり10問・35分の試験です。
もう1つの「実務経験2年」は、乙4免状を受けた後に危険物製造所等で取扱いの実務に2年以上ついた人が使えます。仕事で第4類を扱っている人なら、こちらのほうが早い場合もあります。
甲種の試験は法令15問・物理学及び化学10問・性質消火20問の計45問で、科目名から「基礎的な」が外れます(規則 第55条第1項)。受験手数料は7,200円(令和8年8月時点・センター公式)。令和7年度の合格率は34.0%(受験20,296人・合格6,900人)でした。
道3:乙4のまま「危険物保安監督者」になるには実務6か月
資格を増やさなくても、乙4の免状だけで開ける役職があります。消防法 第13条第1項は、政令で定める製造所等の所有者等に、甲種または乙種危険物取扱者で「六月以上危険物取扱いの実務経験を有するもの」のうちから危険物保安監督者を定めることを義務づけています。
乙4の場合、監督できるのは免状の範囲(第4類)です。ガソリンスタンドや灯油・軽油を扱う施設なら第4類だけで足りることが多く、乙4+実務6か月で保安監督者の要件を満たします。センターのよくある質問にも、乙種全類の取得者は甲種と同様にすべての危険物を扱えるが「危険物保安監督者の資格要件に違いがあります」とあります。全類の監督をしたいなら甲種、という切り分けです。
図解で確認:保安の3役職は「決まり方」が違う
図を拡大する +
図解の参考:危険物の規制に関する政令第30条の3(図解追加:2026年9月10日)
どの順で進むか(乙4合格者向け)
- 免状の交付申請(合格しただけでは何も始まらない)
- 仕事で第4類を扱うなら、まずは実務6か月で保安監督者の要件を満たす
- 資格を広げたいなら、乙3・乙5・乙1(または乙6)を10問35分の免除試験で追加。3つそろえば甲種の受験資格
- 甲種は45問・受験資格ありの試験。実務2年で受けるか、乙種4種類で受けるかは、自分の職場と相談
乙種の他類も、性質・消火の出題のされ方は乙4と同じです。「引火点・比重・水溶性で比べる」という乙4の型は他の類でも使えます。型のおさらいは性質・消火の記事と乙4ドリルでどうぞ。
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科目ごとに問題を解く
次にやること
危険物取扱者 乙種第4類のページに、ほかの解説記事もまとめています。