普通ボイラー溶接士の試験ガイド
試験の制度と学習の進め方をまとめました。公式の数値は出典資料で確認できます。計算・問題分析・学習案は「合格ドリルの見方」として区別し、合格に必要な勉強時間は一律に設けていません。

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最終確認:2026年8月18日 根拠:安全衛生技術試験協会「免許試験の合格率・同協会「普通ボイラー溶接士のご紹介・同協会「特別ボイラー溶接士のご紹介」 ほか
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試験の概要と科目
科目別の本番の出題数
出典:公式の試験案内(2026-09-20確認)
8科目・40問の内訳
合格ドリルの整理・見方
公式の試験案内・制度
| 試験科目 | 出題数 |
|---|---|
| ボイラーの構造及びボイラー用材料に関する知識 | 5問 |
| ボイラーの工作及び修繕方法に関する知識 | 5問 |
| 溶接施行方法の概要に関する知識 | 10問 |
| 溶接棒及び溶接部の性質の概要に関する知識 | 6問 |
| 溶接部の検査方法の概要に関する知識 | 3問 |
| 溶接機器の取扱方法に関する知識 | 3問 |
| 溶接作業の安全に関する知識 | 3問 |
| 関係法令 | 5問 |
| 合計 | 40問・計100点 |
試験時間は13:30〜16:00の2時間30分。五肢択一式で、正答は1問につき1つです。科目の並びはボイラー及び圧力容器安全規則 第110条第2項の8つそのままで、公表問題も問1から問40までこの順に並んでいます。
協会が公表しているのは科目ごとの出題数と「計100点」で、科目ごとの配点は示されていません。重みは出題数で見ます。「溶接施行方法」の10問が最大で、全体の4分の1を占めます。
合格基準と問題数
- 学科:合計60%以上
科目ごとの足切りはなく、合計点で判定する。
- 実技:全試験片が合格
曲げ試験で1枚でも不合格なら、他で補えない。
学科の科目別配点は非公表です。「24問なら合格」とは断定できません。
合格基準は「合計60%以上」だけ
合格ドリルの整理・見方
協会の合格基準は、免許試験の学科では原則「科目ごと40%以上、かつ合計60%以上」ですが、特別・普通ボイラー溶接士だけは「得点の合計が60%以上であること」と別に定められています。
ボイラー整備士や二級ボイラー技士なら、1科目でも40%を切れば不合格です。溶接士にはそれがありません。苦手な科目を薄くして、得意な科目で積む戦い方が使える数少ない免許試験です。ただし科目ごとの配点が非公表なので、「何問取ればよいか」の正確な計算はできません。目安として、全問が同じ配点なら60点=24問です。
難易度と合格率
令和7年度の結果:学科57.8%、実技62.2%
合格ドリルの整理・見方
公式統計
| 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
|---|---|---|---|
| 学科試験 | 753人 | 435人 | 57.8% |
| 実技試験 | 593人 | 369人 | 62.2% |
ボイラー及び圧力容器安全規則 第110条は、この試験を「学科試験及び実技試験によつて行ない、実技試験は、学科試験の合格者について行なう」と定めています。学科に受かった人だけが実技に進む二段構えです。
実技の受験者593人が学科の合格者435人より多いのは、学科を免除されて実技だけを受ける人が含まれるからです。前年までに学科に合格した人(学科合格の日から1年以内)や、免許の有効期間が切れて2年以内の人は、学科が全部免除されます。学科と実技は受けている集団が同じではないので、2つの率を掛け合わせて「最終合格率」を出すことはできません。
詳しい解説・表を読む条件・具体例・出典を確認できます
学科57.8%は、協会の免許試験全体(51.4%)よりやや高い
合格ドリルの整理・見方
公式統計
| 試験区分(学科・令和7年度) | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 特別ボイラー溶接士 | 154人 | 66.9% |
| ボイラー整備士 | 2,730人 | 63.5% |
| 普通ボイラー溶接士 | 753人 | 57.8% |
| 二級ボイラー技士 | 21,349人 | 52.9% |
| (学科の合計) | 175,624人 | 51.4% |
受験者753人は、二級ボイラー技士の30分の1ほどです。この試験には受験資格として1年以上の溶接作業の経験が要るので、受けているのは溶接の経験がある人だけです。それでも4割強が学科で落ちています。
特別ボイラー溶接士との関係:普通の「次」にある免許
合格ドリルの整理・見方
合格ドリルの整理・学習案
| 令和7年度 | 学科 | 実技 |
|---|---|---|
| 普通ボイラー溶接士 | 753人・57.8% | 593人・62.2% |
| 特別ボイラー溶接士 | 154人・66.9% | 142人・87.3% |
特別ボイラー溶接士のほうが合格率は高く出ていますが、この差の原因は統計だけでは特定できません。受験資格も異なり、同規則 第109条により、特別の試験は「普通ボイラー溶接士免許を受けた後、1年以上ボイラー又は第一種圧力容器の溶接作業の経験がある者」しか受けられません。普通に受かり、さらに1年ボイラーを溶接した人だけが特別を受けています。
業務の範囲も段階になっています。同規則 第9条は、ボイラーの溶接は特別ボイラー溶接士でなければならないとしたうえで、溶接部の厚さが25mm以下の場合、または管台・フランジ等を取り付ける場合は普通ボイラー溶接士でもよい、と定めています。普通は「入口の免許」、特別は「厚板や主要部まで扱える免許」です。
勉強時間と進め方
- ボイラー側の知識
構造・材料、工作・修繕、法令を確認する。
- 溶接側の知識
施行方法、溶接棒、検査、機器、安全を整理する。
- 組合せ問題
記述を1つずつ判定し、誤りの理由を確かめる。
公表問題をもとにした学習の整理です。経験のある分野も、試験で問われる表現を確認します。
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公表問題から見る、8科目で出ていること
合格ドリルの整理・見方
協会が公表している直近2回分の試験問題を科目ごとに見ると、次のような内容が出ています。2回分で問われている論点はかなり重なっていました。
合格ドリルの整理・学習案
| 科目 | 出ている内容 |
|---|---|
| 構造・材料(5問) | 水管ボイラーの特徴、胴や継手に生じる応力、附属設備・附属品、鋼材の性質、炭素鋼の成分 |
| 工作・修繕(5問) | 溶接を避けるべき部位、ステーの取付け、重ね溶接をしてはならない部分、切り継ぎ溶接・漏止め溶接による修繕 |
| 溶接施行方法(10問) | 溶接用ジグ、アークの性質、溶着法、溶接記号の読み方、予熱・後熱、裏はつりと裏溶接、サブマージアーク溶接、ガスシールドアーク溶接、タック溶接 |
| 溶接棒・溶接部の性質(6問) | 溶接性の判断、被覆アーク溶接棒の区分記号と保管・乾燥、継手各部の名称、溶接欠陥(スラグ巻込みなど)が生じる条件 |
| 検査方法(3問) | 放射線透過試験のきずの分類、溶接部の各種試験の目的、浸透探傷試験 |
| 溶接機器(3問) | アーク溶接機の構成、電線の抵抗の計算、交流機と直流機の違い |
| 作業の安全(3問) | アーク溶接時の災害防止、タンク内など通風の悪い場所での作業、健康障害 |
| 関係法令(5問) | 溶接士免許が要る溶接業務の範囲、製造から使用までの検査の流れ、伝熱面積の算定、構造検査、溶接継手の効率 |
現場で溶接をしている人にとって未知なのは、「構造・材料」「工作・修繕」「関係法令」の15問でしょう。ここはボイラーという製品の側の知識で、二級ボイラー技士の範囲と重なります。溶接そのものの25問は経験が効きます。
図解で確認:胴の応力は「周方向が軸方向の2倍」だから長手継手が一番大事
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図解の参考:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」普通ボイラー溶接士 問2(図解追加:2026年9月10日)
図解で確認:溶接ボイラーの検査は「溶接検査 → 構造検査 → 設置届 → 落成検査」
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図解の参考:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」普通ボイラー溶接士 問37(図解追加:2026年9月10日)
図解で確認:伝熱面積に「数える面・数えない面」
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図解の参考:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」普通ボイラー溶接士 問38(図解追加:2026年9月10日)
図解で確認:修繕は「切り継ぎ」と「漏止め」の2つ:劣化は板ごと、漏れは小さく
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図解の参考:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」普通ボイラー溶接士 問9(図解追加:2026年9月10日)
図解で確認:施工の順序:予熱 → タック → 本溶接 → 裏はつり → 裏溶接 → 後熱
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図解の参考:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」普通ボイラー溶接士 問16(図解追加:2026年9月10日)
図解で確認:アーク溶接の安全:感電はホルダと接地、健康はCO・酸欠・ヒューム
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図解の参考:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」普通ボイラー溶接士 問33(図解追加:2026年9月10日)
詳しい解説・表を読む条件・具体例・出典を確認できます
計算問題は少ない。組合せ問題は多い
合格ドリルの整理・見方
公表問題2回分では、数式を立てて答えを出す問題は「溶接機器」の電線の抵抗の1問だけでした。電卓(関数電卓などは不可)は使えます。計算は問題用紙の余白で行います。この問題では、断面積と長さから抵抗がどう変わるかを比で求めます。
いっぽう「AからEまでの記述のうち適切なものの組合せはどれか」という形式は、40問のうち13問(令和8年掲載分)・10問(令和7年10月掲載分)ありました。記述を1つずつ判断しないと絞れないので、時間はかかります。とはいえ2時間30分で40問、1問あたり3分45秒。急がされる試験ではありません。
学科は「足切りがない」ぶん通りやすい
合格ドリルの整理・見方
構造・工作修繕・法令の15問も復習します。材料の図解では鋼の0.2%耐力、青熱ぜい性、鋳鉄と貫流式の使い分けを扱います。
図解の参考:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」普通ボイラー溶接士 問25(図解追加:2026年9月10日)
図解の参考:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問21(図解追加:2026年9月10日)
図解の参考:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問1(図解追加:2026年9月10日)
免除・実技・免許の条件
- 受験条件
ガス溶接・自動溶接を除く、1年以上の溶接作業経験が必要。
- 学科試験
経験の事業者証明書を添付して受験する。
- 実技試験
学科合格後に受験。下向き・立向きの突合せ溶接を行う。
学科合格から1年以内は学科免除で実技を再受験できます。免許の有効期間満了後2年以内の学科免除もあります。
詳しい解説・表を読む条件・具体例・出典を確認できます
受験資格・免除・実技へのつながり
合格ドリルの整理・見方
公式の試験案内・制度
| 受験資格 | 1年以上溶接作業の経験がある者(ガス溶接・自動溶接を除く)。事業者証明書を添付 |
|---|---|
| 学科の免除 | 学科合格から1年以内の者、免許の有効期間満了後2年以内の者は学科の全部が免除 |
| 受験手数料 | 学科 8,800円/実技 24,000円(学科合格後に別途) |
| 学科の次 | 合格者は実技試験(下向き・立向きの突合せ溶接、1時間、全試験片が曲げ試験に合格)へ |
学科に受かると「実技試験受験票」が届き、引き続き実技を受けます。実技の詳しい中身と免除は 受験資格と実技試験、学科・実技それぞれの合格率は 合格率の記事 にまとめました。実施日はセンターごとに違うので、公式の日程ページで確認してください。
実技は「1枚でも落ちたら不合格」
合格ドリルの整理・見方
実技は全試験片が曲げ試験結果判定に合格する必要があります。1枚でも不合格なら、学科のように他の得点で補えません。
学科合格には1年の有効期限がある
合格ドリルの整理・見方
学科に受かった後、実技で落ちた場合の扱いは知っておいた方がよいポイントです。
合格ドリルの整理・学習案
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| 学科合格から1年以内 | 学科が免除され、実技だけ受け直せる |
| 1年を超えた | 学科からやり直し |
学科合格の効力は1年です。実技で1回落ちても、1年以内なら実技だけの再挑戦で済みます。裏を返せば、1年を過ぎると8科目40問からやり直しになります。
実技が不安な場合ほど、学科に受かったら間を空けずに実技へ進む計画が有効です。
まとめ:難所は学科より実技
合格ドリルの整理・見方
再受験費用は実技24,000円、学科8,800円。合格率だけで難易度の上下を決めず、曲げ試験を通せる技能と1年以内の受験日程を準備します。
過去問・科目別の練習へ
編集:合格ドリル運営者|作成と検証の手順は運営者情報に、 誤りを見つけた場合の訂正は訂正履歴で公開しています。
科目ごとに問題を解く
次にやること
普通ボイラー溶接士のページに、ほかの解説記事もまとめています。