普通ボイラー溶接士 溶接施行方法の練習問題14問
普通ボイラー溶接士の試験科目「溶接施行方法」の問題を14問掲載しています。 本番の出題数は10問です。すべての問題に「なぜそうなるか」「ここだけ覚える」の解説と、根拠となる出典を付けています。 このうち14問は、法令の条文や公的な技術資料にあたって内容を確認済みです。
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溶接施行方法は単独最多の10問
この科目の練習問題は全14問です。収録論点の例:ガスシールドアーク(3問)、用語(3問)、アーク(2問)。この内訳は当サイトの収録数で、本試験の出題配分ではありません。
「溶接施行方法の概要」は単独の科目として最多の10問。学科40問の4分の1がここです。実技試験(下向き・立向きの突合せ溶接)と地続きの内容なので、手順の「なぜ」まで押さえると学科と実技の両方に効きます。
実技の中身と免除は受験資格と実技試験の記事へ。
アークの性質:約6000℃、交流は明滅、直流は磁気吹き、極性で発熱が変わる
鉄アークの温度は約6000度
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選択肢を考えたあと、「答えと解説を見る」を開いて確認できます。
溶接アークの温度(熱源が鉄アークの場合)として、正しいものはどれか。
- 約10000度
- 約1500度
- 約3000度
- 約6000度
- 約500度
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正解 4約6000度
鉄の沸点をはるかに超える温度で、母材と溶接棒を一瞬で溶かします。
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電極間にアークを発生させると、両極面に電極点と呼ばれる輝く部分ができます。
交流アーク溶接に関する記述として、正しいものはどれか。
- 無負荷電圧を直流の場合より低くして、アークを安定させる
- 高周波電流を併用してはならない
- アークの明滅は生じない
- 無負荷電圧を直流の場合より高くしたり、高周波電流を併用したりして、アークの安定化を図る
- 電流の向きが変わらないので、アークの維持は直流より容易である
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正解 4無負荷電圧を直流の場合より高くしたり、高周波電流を併用したりして、アークの安定化を図る
交流は電流がゼロを通るたびにアークが消えかかるため、電圧や高周波の助けで再点弧しやすくします。
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交流ではアークに周波数の2倍の明滅が生じるため、直流の場合よりアークの維持が困難です。
炭素鋼の溶接で予熱及び後熱を行う目的として、正しいものはどれか。
- 溶接による変形を大きくする
- 溶込みを浅くする
- 溶接部に発生する割れを防止する
- 溶接金属の切欠きじん性を低下させる
- 溶接部の残留応力を増加させる
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正解 3溶接部に発生する割れを防止する
ゆっくり温めてゆっくり冷ますことで、急冷による硬化や割れを防ぎます。
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このほか、溶接金属及び熱影響部の切欠きじん性を向上させる効果もあります。
裏はつりに関する記述として、正しいものはどれか。
- 裏はつりは、裏溶接を行った後に行う
- ハンマとたがねでたたき割る方法に限られる
- グラインダで削る方法、機械で削る方法、エアアークガウジング法などがある
- 高温の炎であぶって酸化させ、取り除く方法しかない
- 裏はつりを行ってはならない
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正解 3グラインダで削る方法、機械で削る方法、エアアークガウジング法などがある
表側の溶接の裏に残った欠陥部分を、健全な金属が出るまで削り取る作業です。
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機械で削る方法には、プレーナなどを用いる方法があります。裏はつりのあとに裏溶接を行います。
エアアークガウジング法に関する記述として、正しいものはどれか。
- 回転する砥石で金属を削って溝を形成する
- 高圧の水で金属を洗い流して溝を形成する
- 薬品で金属を溶かして溝を形成する
- アーク熱によって溶かした金属を、圧縮空気で吹き飛ばして溝を形成する
- 圧縮空気だけで金属を削り取って溝を形成する
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正解 4アーク熱によって溶かした金属を、圧縮空気で吹き飛ばして溝を形成する
アークで溶かし、空気で吹き飛ばす。この2段構えで溝を掘っていきます。
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ガウジング後は、グラインダで表面の硬化部やノロなどを除去してから裏溶接を行います。
裏溶接に関する記述として、正しいものはどれか。
- 本溶接とは全く別の溶接法で行わなければならない
- のど厚をできるだけ小さくして行う
- 裏はつりを行う前に行う
- 本溶接と同様な方法で行う
- 母材を溶かさないように行う
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正解 4本溶接と同様な方法で行う
裏側も継手の一部なので、表側と同じ品質で仕上げる必要があります。
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エアアークガウジングで裏はつりをした後は、表面の硬化部やノロをグラインダで除去してから裏溶接を行います。
ガスシールドアーク溶接法に関する記述として、正しいものはどれか。
- ティグ溶接法はタングステン電極を用い、ミグ溶接法は母材と同種の金属ワイヤを電極として用いる
- どちらの溶接法も、被覆した溶接棒を電極として用いる
- ティグ溶接法は、母材と同種の金属ワイヤを電極として用いる
- ミグ溶接法は、タングステン電極を用いる
- どちらの溶接法も、シールドガスを用いない
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正解 1ティグ溶接法はタングステン電極を用い、ミグ溶接法は母材と同種の金属ワイヤを電極として用いる
溶けない電極でアークを出すのがティグ、ワイヤ自身が溶けて溶着金属になるのがミグです。
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アルミニウムなど清浄作用を必要とする溶接には、一般に交流ティグ溶接法が用いられます。
マグ溶接法のうち、シールドガスとして炭酸ガスを単独で用いるものの名称として、正しいものはどれか。
- ティグ溶接法
- 炭酸ガスアーク溶接法
- サブマージアーク溶接法
- ミグ溶接法
- 被覆アーク溶接法
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正解 2炭酸ガスアーク溶接法
名前のとおり、炭酸ガスだけでアークのまわりを覆う溶接法です。
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電源には、出力電流が変化しても負荷電圧があまり変化しない定電圧特性のものが用いられます。
ミグ溶接法に関する記述として、正しいものはどれか。
- シールドガスを用いずに溶接する
- 棒マイナスを用い、被覆アーク溶接より低い電流密度で溶接する
- 棒プラスを用い、被覆アーク溶接の場合の約6倍の電流密度で溶接する
- 電流密度は、被覆アーク溶接の場合と同じである
- タングステン電極を用いて溶接する
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正解 3棒プラスを用い、被覆アーク溶接の場合の約6倍の電流密度で溶接する
細いワイヤに大きな電流を流すため電流密度が高く、溶着が速く進みます。
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マグ溶接法のうち、シールドガスとして炭酸ガスを単独で用いるものを炭酸ガスアーク溶接法といいます。
突合せ溶接部のタック溶接に関する記述として、正しいものはどれか。
- 本溶接とは全く異なる溶接条件で行うのが望ましい
- タック溶接部を本溶接前に削り取ってはならない
- 片側に集中して行う
- 両側溶接を行う場合には、裏はつりされない部分に行う
- できる限り対称的に行う
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正解 5できる限り対称的に行う
片寄って仮止めすると、本溶接のときにひずみが偏って出てしまいます。
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タック溶接と本溶接は同様の溶接条件で行うのが望ましく、両側溶接では裏はつりされる部分に行います。材料などによって必要な場合は、本溶接前に削り取ります。
すみ肉溶接における「のど厚」の説明として、適切なものはどれか。
- 1回のパスによって作られた溶接金属をいう
- 溶接中に飛散するスラグおよび金属粒をいう
- 断面のうち、最も長い辺の長さをいう
- 断面のルートから表面までの最短距離をいう
- 開先またはすみ肉溶接で、必要寸法以上に表面から盛り上がった溶着金属をいう
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正解 4断面のルートから表面までの最短距離をいう
溶接部でいちばん細い所が、そのまま溶接部の強さを決めます。その最短の厚みがのど厚です。
関連知識・ひっかけを読む
盛り上がった部分が余盛、1回のパスでできた溶接金属がビード、飛散するスラグや金属粒がスパッタです。用語をまとめて整理しておきます。
溶着法のうち、単層法に関する記述として、適切なものはどれか。
- 溶接線をとびとびに一定区間に区切って溶接する方法である
- 厚板は必ず何層かに分けて溶接しなければならない方法である
- 溶接線の長手中央部から両端に向かって、対称的に溶接する方法である
- 溶接する方向と溶着していく方向とが、反対になるように溶接する方法である
- 薄板の溶接やすみ肉の脚長が小さい場合に用いられ、サブマージアーク溶接では16〜20mm程度の厚板も1層で溶接できる
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正解 5薄板の溶接やすみ肉の脚長が小さい場合に用いられ、サブマージアーク溶接では16〜20mm程度の厚板も1層で溶接できる
普通は厚い板を何層にも重ねますが、深く溶け込むサブマージアーク溶接なら、ある程度の厚さまで一度で仕上げられます。
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対称法では1区間を200〜300mm程度とします。飛石法は溶接による変形が小さいという利点があります。
アーク溶接の用語の説明として、正しいものはどれか。
- 余盛とは、溶接の止端に沿って母材が掘られ、溝となって残った部分をいう
- ビードとは、開先の底の部分で母材どうしが最も近づく箇所をいう
- スパッタとは、溶接後に溶接部を覆う固まったスラグの層をいう
- 余盛とは、開先やすみ肉溶接で、必要な寸法を超えて表面から盛り上がった溶着金属をいう
- パスとは、溶接部に生じた球状の空洞をいう
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正解 4余盛とは、開先やすみ肉溶接で、必要な寸法を超えて表面から盛り上がった溶着金属をいう
必要な厚みを超えて盛り上がった分が余盛です。多すぎると応力が集中します。
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スパッタは溶接中に飛び散るスラグや金属粒、ビードは1回のパスでできた溶接金属を指します。
溶接中に飛び散るスラグ及び金属の粒を指す用語はどれか。
- ブローホール
- アンダカット
- スパッタ
- スラグ巻込み
- オーバラップ
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正解 3スパッタ
はじけて周囲に飛ぶ粒がスパッタです。母材に付くと手直しが必要になります。
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いずれも溶接部の欠陥や現象を表す用語ですが、飛散するものを指すのはスパッタだけです。
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問題データ最終更新:2026-08-14