普通と特別ボイラー溶接士の違い
【板厚25mmが境目】
ボイラー溶接士には「普通」と「特別」の2つがあります。名前だけでは違いが分かりにくいので、実際に何が変わるのかを4つの軸で整理します。
最終確認:2026年8月18日 根拠:ボイラー及び圧力容器安全規則・日本ボイラ協会「ボイラー溶接士免許の取得について」・安全衛生技術試験協会「試験手数料」 ほか
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いちばん大きな違いは「溶接できる範囲」
| 免許 | 行える溶接業務 |
|---|---|
| 普通ボイラー溶接士 | 溶接部の厚さが25mm以下の場合、または管台・フランジ等を取り付ける場合の溶接 |
| 特別ボイラー溶接士 | 厚さの制限なし。ボイラー・第一種圧力容器の溶接業務全般 |
境目は板厚25mmです。普通ボイラー溶接士でもボイラーの溶接自体はできますが、25mmを超える厚い溶接部は扱えません。この制限がなくなるのが特別ボイラー溶接士です。
現場で25mm超の溶接が発生するかどうかが、特別まで取る必要があるかの判断材料になります。
図解で確認:普通ボイラー溶接士は「25mm以下」と「管台・フランジの取付け」まで
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図解の参考:ボイラー及び圧力容器安全規則第9条(図解追加:2026年9月10日)
受験資格:特別は普通を取ってから
| 免許 | 受験資格 |
|---|---|
| 普通ボイラー溶接士 | 1年以上溶接作業の経験を有する者 |
| 特別ボイラー溶接士 | 普通ボイラー溶接士免許の取得後、1年以上ボイラーまたは第一種圧力容器の溶接作業の経験を有する者 |
特別からいきなり受けることはできません。普通を取り、そこからさらに1年の経験を積んで初めて受験資格が得られます。最短でも「溶接経験1年 → 普通取得 → 実務1年 → 特別」という順序になります。
特別を目指す場合も、まず普通の学科・実技を通ることが出発点です。
実技試験:溶接の姿勢が違う
| 免許 | 実技試験の内容 |
|---|---|
| 普通ボイラー溶接士 | 下向および立向の突合せ溶接 |
| 特別ボイラー溶接士 | 横向の突合せ溶接 |
規則は「実技試験は、突合せ溶接について行なう」と定めており、具体的な姿勢は協会の案内で示されています。特別は横向という、より難しい姿勢が課されます。
合格基準は減点方式ではありません。溶接した試験片を曲げて判定し、1枚でも落ちれば不合格です。
手数料:特別のほうが4,000円高い
| 免許 | 学科 | 実技 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 普通ボイラー溶接士 | 8,800円 | 24,000円 | 32,800円 |
| 特別ボイラー溶接士 | 8,800円 | 28,000円 | 36,800円 |
実技の手数料は、協会が実施する免許試験のなかで最も高い部類です。クレーン・デリック運転士や移動式クレーン運転士の実技はいずれも14,000円なので、ボイラー溶接士はその1.7〜2倍にあたります。
普通・特別の両方を取る場合、単純合計で約7万円かかる計算になります。免許取得後の更新も含めて、実務で使う見込みがあるかを踏まえて計画してください。
どちらを受けるか迷ったときの整理
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| これから溶接経験1年を満たす | まず普通。特別の受験資格が無い |
| 現場の溶接部が25mm以下で収まる | 普通で足りる場合がある |
| 25mm超の厚板を扱う/将来扱う見込み | 普通を取得後、実務1年を経て特別へ |
| 免許の維持が難しい時期がある | どちらも2年ごとの更新制。実務から離れる予定があるなら時期を検討 |
どちらの免許も有効期間は2年で、更新には直近1年間の実務と検査結果の条件があります。詳しくは ボイラー溶接士免許は2年ごとの更新制【失効したらどうなる】 にまとめています。
学科試験は普通・特別ともに8科目です。出題範囲と対策は 普通ボイラー溶接士の学科試験科目【8科目40問・足切りなし】 を参照してください。
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