「大規模大気特論」10問の攻略
この科目は計算よりも考え方の理解を問う設問が中心です。10問と少ないので、出るところを絞れます。
最終確認:2026年8月18日 根拠:国家試験の問題と正解 ほか
目次から選ぶ4の項目から読みたいところへ
拡散は「乱流」が主役
大気中で煙が広がるしくみは、分子の熱運動(分子拡散)ではほとんど説明できません。大小さまざまな渦の不規則な運動=乱流拡散が支配的です。
重要なのは、乱流拡散係数が平均化時間によって変わることです。長い時間で平均するほど、ゆっくりした大きな渦の効果まで含まれるためです。「時間に関係なく一定」という選択肢は誤りになります。
水平方向の乱れには、数時間以上にわたる長い周期の変動も含まれます。
図解で確認:煙を広げるのは「乱流」、見かけの幅は平均化時間で変わる
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図解の参考:産業環境管理協会「令和7年度 国家試験の問題と正解」大規模大気特論 問1(図解追加:2026年9月10日)
自由対流と強制対流
| 自由対流 | 日ざしで暖まった地面の上に生じる、熱による対流 |
|---|---|
| 強制対流 | 地表面の凹凸によって風速に鉛直方向の勾配ができ、そこから生まれる乱れ |
強制対流が卓越する強い風のときは、大気安定度は中立に近づき、気温減率は乾燥断熱減率に近づきます。このとき作られる中立層の厚さは、一般に数百メートル以下です。
地表面粗度が大きい(建物や樹木が多い)ほど風速の鉛直勾配が大きくなり、乱れが強くなります。市街地と海上で拡散のしかたが違うのはこのためです。
図解で確認:自由対流は「熱」、強制対流は「風と地表の凹凸」
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図解の参考:産業環境管理協会「令和7年度 国家試験の問題と正解」大規模大気特論 問2(図解追加:2026年9月10日)
平均化時間で答えが変わる
短い時間で見れば煙は細い帯ですが、長い時間で平均すると風向のふらつき(蛇行)まで含まれるため、見かけの水平拡散幅は広がります。
| SO2・NO2の濃度分布シミュレーション | 一般に1時間に相当する拡散幅を用いる |
|---|---|
| 爆発性ガスの漏出・拡散 | 数秒から数分の濃度を表現する必要がある |
瞬間的に濃度が上がれば危険なガスを、1時間の平均値で見ても意味がありません。何を守りたいかによって、時間の取り方が決まります。
16方位という制約をどう外すか
風向データは一般に16方位で記録されます。そのまま計算すると、その16方向にだけ濃度の山ができてしまいます。実際の風は連続的に変わるのに、データが飛び飛びだからです。
対策は3つあります。
- 32方位などに補間・分散させる
- 風向±11.25度の範囲で乱数を与えて平準化する(16方位は22.5度刻みなので、その半分)
- 1風向の角度幅で横方向に濃度をならす「横風方向一様分布式」を使う
いずれも「データが飛び飛びであることの影響」をならすのが目的です。
なお、時間とともに変化する排出を扱うなら、定常状態を仮定するプルームモデルではなく、煙の塊を次々に飛ばすパフモデルが向いています。
図解で確認:16方位のままだと「方位ごとに濃度の山」ができる
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図解の参考:産業環境管理協会「令和7年度 国家試験の問題と正解」大規模大気特論 問6(図解追加:2026年9月10日)
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