材料・工具と施工方法
【公表5回の13問から学ぶ】
材料や工具は、名前だけでなく用途と使える条件を結び付けると整理しやすくなります。令和6年度上期〜令和8年度上期の公表学科試験5回では、一般問題30問中13問がこの記事の範囲でした。写真で形を見分ける問題や、数値を計算して判断する問題もあるため、文章・写真・計算を組み合わせて練習します。
最終確認:2026年8月18日 根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験の問題と解答」・電気技術者試験センター「第二種電気工事士の学科試験のポイント」・電気工事士法施行令 ほか
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確認した5回では、一般問題30問中13問
学科試験の科目は、電気工事士法施行令第8条に7つ挙げられています。そのうち2つ、「電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具」と「電気工事の施工方法」がこの記事の範囲です。
対象は、令和6年度上期・下期、令和7年度上期・下期、令和8年度上期の公表学科試験です。この5回では、問番号と内容は次のように対応していました。CBTの個々の問題や、今後の出題数・順序を示すものではありません。
| 問 | 科目 | 問数 |
|---|---|---|
| 問11〜問18 | 電気機器・配線器具・材料・工具 | 8問 |
| 問19〜問23 | 電気工事の施工方法 | 5問 |
| 合計 | 13問 | |
工具の用途や施工条件を説明できることが、この範囲の学習の土台です。暗記だけで全問に対応できるわけではありません。写真の識別に加え、回転速度やコードの許容電流と消費電力を結び付ける問題も確認しています。
合格に必要なのは50問中30問(配点は1問2点で、合格基準は令和8年度上期が60点以上)です。13問のうち10問取れると、合格に必要な30問の3分の1が埋まります。
写真問題は、公式PDFで形も確かめる
- 写真を見る
公式の公表問題PDFで、材料・工具の形を確認する。
- 用途を言葉にする
「この形は何をするものか」を一つずつ確かめる。
- 文章問題で確かめる
名前と役割の対応を、ドリルの選択肢で復習する。
記事が調べた公表5回分では、問16〜18が写真問題でした。この要約や文章ドリルは、写真による形の識別練習の代わりにはなりません。
先に、できないことをお伝えします。
上記の公表学科試験5回では、各回とも問16・問17・問18の3問が写真の問題でした。「写真に示す材料の名称は」「写真に示す工具の用途は」といった聞かれ方です。8問のうち3問がここに当たります。
⚠ 合格ドリルは文章の問題集なので、この写真3問はカバーできていません。写真がないと成立しない問題を文章に直すと、別の問題になってしまうからです。隠さずに書いておきます。
写真の対策は、公式の公表問題PDF(写真つき)をそのまま見るのがいちばん確実です。5回分で15問ぶんの写真が手に入ります。名前を覚えるというより、「この形は何をするものか」を1つずつ言葉にしていくと、文章の問題にもそのまま効きます。
写真3問を除くと、対象の13問のうち10問は写真以外の問いでした。ただし、ドリルだけでその10問すべてを網羅するという意味ではありません。以下は用途・条件・数値を理解するための要点です。
工具は「何をする道具か」で覚える
- 金属管を曲げる
パイプベンダ。
- 樹脂管を温めて曲げる
トーチランプ。
- 金属管の面取り
リーマ。
- 樹脂管の切り口を整える
面取器。
役割の比較であり、工具の形を見分ける図ではありません。工具の写真は公式の公表問題PDFでも確認します。
公表問題5回分では、問13が5回とも工具の問題でした。聞かれ方は「用途は」「組合せとして適切なものは」「誤っているものは」と変わりますが、中身は同じです。
下の表は、すべて公表問題の正解(または正しい組合せとして示された選択肢)から拾ったものです。
| 工具 | 何をする道具か | 出どころ |
|---|---|---|
| ノックアウトパンチャ | 金属製キャビネットに穴をあける | 令和6年度下期 問13 |
| パイプベンダ | 金属管(ねじなし電線管)を曲げる | 令和7年度下期 問13/令和7年度上期 問13 |
| リーマ | 金属管の面取り | 令和6年度上期 問18 |
| 合成樹脂管用カッタ | 硬質ポリ塩化ビニル電線管を切る | 令和6年度上期 問13 |
| 面取器 | 切った樹脂管の切り口を整える | |
| トーチランプ | 樹脂管を温めて曲げる | |
| 羽根ぎり | 木造天井板に電線管を通す穴をあける | 令和8年度上期 問13 |
| 張線器 | 電線やメッセンジャワイヤのたるみを取る |
選択肢を作る側は、金属管用の工具と樹脂管用の工具を入れ替えて誤りを作ります。曲げるのは、金属管ならパイプベンダ、樹脂管ならトーチランプ。用途と対象の材料をセットにして、選択肢の組合せを確かめてください。
令和8年度上期 問13で「誤っている組合せ」として正解になったのは、〈薄鋼電線管を切断する作業とプリカナイフ〉でした。プリカナイフは薄鋼電線管を切る工具ではありません。
材料側も同じ考え方です。名前に用途が入っているものが多く、TSカップリング=硬質ポリ塩化ビニル電線管どうしの接続(令和8年度上期 問11)、プルボックス=管が集まる場所で通線を楽にする箱(令和6年度下期 問11)のように、「何のためにあるか」で覚えると混ざりません。
施設できる場所は工事ごとに違う
施工方法の5問でくり返し問われるのが、「その工事は、その場所に施設してよいか」です。場所は「展開した場所/点検できる隠ぺい場所/点検できない隠ぺい場所」と「乾燥している/湿気が多い」の組合せで分かれます。
⚠ この分け方の細かい決まりは「電気設備の技術基準の解釈」(経済産業省の審査基準)が根拠です。法令ではないので e-Gov 法令検索では条文を引けません。ここに書くのは、公表問題の正解で確かめられたものだけにします。
| 決まり | 出どころ |
|---|---|
| ライティングダクト工事は、点検できない隠ぺい場所には施設できない(乾燥していても不可) | 令和6年度下期 問20 |
| ライティングダクトは造営材(壁)を貫通させてはいけない | 令和6年度上期 問20 |
| CD管は木造の床下・壁の内部・天井裏に配管できない。PF管ならできる | 令和8年度上期 問21 |
| 1種金属製可とう電線管は、湿気の多い場所に使えない | 令和7年度下期 問21 |
CD管とPF管は、どちらもオレンジや薄いベージュのじゃばら管で見た目がよく似ています。燃え広がりにくいのがPF管で、木の中に隠せるのはこちらだけです。試験でも現場でも、管に書かれた表示で見分けます。
D種接地工事を省略できるかどうかも、この科目の常連です。判断のものさしは「人と大地がどれだけ絶縁されているか」で、乾いた木の床の上で扱う機器は省略でき、乾いていてもコンクリートの床では省略できません(令和7年度下期 問22)。水気のある場所は、漏電遮断器を付けても省略できません(令和8年度上期 問22)。
数字がそのまま答えになる問題
施工方法には、覚えていれば即答できる数字がいくつかあります。これも公表問題の正解から拾ったものです。
| 場面 | 数値 | 出どころ |
|---|---|---|
| ケーブル工事の支持点間(造営材の下面または側面に沿わせる) | 2m以下 | 令和8年度上期 問20 |
| 同(接触防護措置あり・垂直に取り付ける) | 6m以下 | |
| ケーブルの曲げ半径(内側) | 外径の8倍なら適切 | 令和7年度上期 問20 |
| 垂直取付で支持点間8m | 不適切 | |
| 金属管の曲げ半径(内側)が管の内径の5倍 | 不適切 | 令和7年度上期 問23 |
| 硬質ポリ塩化ビニル電線管の支持点間2m | 不適切(長すぎる) | 令和6年度上期 問23 |
| 接着剤を使うときの差込み深さ | 管の外径の0.8倍以上(0.9倍は適切な例) | |
| VVF1.6mmの接続部分を、厚さ約0.2mmのビニルテープで絶縁処理 | 半幅以上重ねて2回(4層)以上(1回=2層は不適切) | 令和6年度下期 問19/HOZAN「工事の施工方法1」問13解説 |
| 乾燥した場所の金属管でD種接地工事を省略 | 長さ3mなら可 | 令和7年度下期 問21 |
| 同上 | 長さ6mは不可 | 令和7年度上期 問23 |
絶縁物の最高許容温度も、3つセットで出ます。
| 電線・ケーブル | 最高許容温度 | 出どころ |
|---|---|---|
| 600Vビニル絶縁電線(IV) | 60℃ | 令和6年度上期 問12 |
| 600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形 | 75℃ | 令和7年度下期 問12 |
| 600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV) | 90℃ | 令和6年度下期 問12 |
60・75・90の3つだけです。ビニルがいちばん熱に弱く、架橋ポリエチレンがいちばん強い、という並びで覚えます。
回転速度は同期速度を目安に考える
材料・工具の範囲にも、数値から答えを求める問題があります。ここでは、回転速度の考え方を整理します。
令和7年度上期の問14は、6極・50Hzの誘導電動機について、選択肢から回転速度に最も近い値を選ぶ問題です。同期速度=120×周波数÷極数より1000min-1を目安にすると、正解の選択肢を選べます。令和6年度下期の問14も同じ考え方で、6極・60Hzから1200min-1を目安にします。
式で求まるのは同期速度であり、実際の回転速度そのものではありません。一般的な誘導電動機の電動運転では、実際の回転速度は同期速度より遅く、負荷によって変わります。対象5回で回転速度を数値で問う問題はこの2問でした。一方、令和7年度上期・令和8年度上期の問12には、コードの許容電流から使用できる電熱器具の消費電力を判断する問題もあり、「計算が必要なのは2問だけ」とは扱いません。
同じ対象のほかの回には、次のように電動機の性質を文章で問う例があります。
- 負荷が増えると回転速度はやや低下する(令和8年度上期 問14)
- 全電圧始動(じか入れ)の始動電流は、全負荷電流の4〜8倍程度(同)
- 電源の周波数が60Hzから50Hzに変わると、回転速度は下がる(同・「増加する」が誤りの選択肢)
- 3本の結線のうちいずれか2本を入れ替えると逆回転する(同)
- 低圧進相コンデンサを並列につなぐ目的は力率の改善(令和8年度上期 問15)
- スターデルタ始動を行うのは一般用三相かご形誘導電動機(令和7年度下期 問14)
同期速度の式からは、極数が同じなら周波数を下げると同期速度も下がることが分かります。式の名前と前提条件まで押さえると、数値の問題と性質を問う問題をつなげて理解できます。
順番を決めて13問を取りにいく
13問もある範囲なので、順番を決めて手をつけたほうが早く形になります。
- 工具(金属管用と樹脂管用の対比。5回とも問13に出ました)
- 材料の性質(最高許容温度60・75・90、コードの太さと使える器具)
- 施工の数値(支持点間2m/6m、曲げ半径、上記VVF1.6mm・厚さ約0.2mmのテープでは半幅以上重ねて2回・4層以上)
- 施設できる場所(ライティングダクト・CD管・1種可とう管の3つが出発点)
- 電動機(同期速度の式と、性質を問う選択肢)
令和8年度上期の問11〜問13には、材料の用途・コードの許容電流・工具の組合せが出ています。名前を覚えた後は、条件を変えた選択肢でも判断できるか確認しましょう。
選択肢の形にされると、覚えたつもりでも迷います。電気機器・配線器具・材料・工具の練習問題20問と電気工事の施工方法の練習問題20問で確かめてください。1問ずつ、どの回の何問目が元になっているかを書いてあります。
計算のほうをどうするか迷っている方は、計算問題は捨てていいかもあわせてどうぞ。
編集:合格ドリル運営者|作成と検証の手順は運営者情報に、 誤りを見つけた場合の訂正は訂正履歴で公開しています。