クレーン運転士と
移動式クレーン運転士の違い
名前は似ていますが、根拠になる条文も免許も別です。片方を持っていても、もう片方の業務にはつけません。何がどう違うのかを整理します。
最終確認:2026年8月18日 根拠:同協会「クレーン・デリック運転士・同協会「移動式クレーン運転士の紹介」・安全衛生技術試験協会「統計」 ほか
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対象になる機械が違う
| 免許 | 対象の例 | 使われる場所 |
|---|---|---|
| クレーン・デリック運転士 | 天井クレーン、橋形クレーン、ジブクレーン/ガイデリック、スチフレッグデリック、ジンポール | 工場、倉庫、建設現場 |
| 移動式クレーン運転士 | トラッククレーン、ラフテレーンクレーン、クローラクレーン、フローチングクレーン | 建設、港湾などの現場 |
「移動式クレーン」は法令で定義されています。
移動式クレーン 原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるクレーンをいう。(労働安全衛生法施行令第1条第8号)
工場の天井に据え付けられていて動かないのがクレーン、自分で走って現場まで行けるのが移動式クレーン、というのが大まかな分かれ目です。
免許が要る「つり上げ荷重」が違う
| 機械 | 免許が必要になるつり上げ荷重 | 条文 |
|---|---|---|
| クレーン(跨こ線テルハを除く) | 5トン以上 | 安衛令第20条第6号/クレーン則第22条 |
| デリック | 5トン以上 | 安衛令第20条第8号/クレーン則第108条 |
| 移動式クレーン | 1トン以上(道路上を走行させる運転を除く) | 安衛令第20条第7号/クレーン則第68条 |
数字が違うのは移動式クレーンだけです。ただし1トン以上5トン未満は小型移動式クレーン運転技能講習を修了した人を就かせることができます(第68条ただし書)。免許が必ず要るのは、結局どちらも5トン以上です。
クレーン側にも似た例外があり、床上操作式クレーンは床上操作式クレーン運転技能講習を修了した人が運転できます(第22条ただし書)。
両方が要るのはどんなときか
免許は機械の種類ごとです。工場の天井クレーンも動かし、現場でラフテレーンクレーンも動かす、というように種類をまたぐ仕事をするなら、両方が必要になります。片方の免許がもう片方の業務をカバーすることはありません。
ただし、2つ目を取るときの負担は軽くなります。どちらの側からでも同じ免除が入ります。
| すでに持っている免許 | 受ける試験 | 免除される科目 |
|---|---|---|
| 移動式クレーン運転士(又は揚貨装置運転士) | クレーン・デリック運転士 | 学科:力学に関する知識 実技:運転のための合図 |
| クレーン・デリック運転士(クレーン限定・床上運転式クレーン限定を含む) | 移動式クレーン運転士 | 学科:力学に関する知識 実技:運転のための合図 |
力学の科目はどちらの試験にもあります。片方で合格していれば、2つ目では免除されます。合図も同じです。2つ目は3科目+運転だけになります。
免除は自動では適用されません。受験申請書のB欄で「一部免除」を○で囲み、(力学)と記入して、免許証の写しを添付します。
合格率も比べておく(令和7年度)
| 区分 | 学科の受験者 | 学科 | 実技 |
|---|---|---|---|
| クレーン・デリック〔クレーン限定〕 | 17,550人 | 57.3% | 48.8% |
| クレーン・デリック(限定なし) | 946人 | 66.8% | 40.5% |
| 移動式クレーン運転士 | 4,861人 | 65.7% | 66.3% |
受験者数はクレーン・デリック(3区分の合計で18,575人)のほうが多く、移動式クレーンは4,861人です。
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