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特別ボイラー溶接士 溶接棒・溶接部の性質及び検査の練習問題12問
特別ボイラー溶接士の試験科目「溶接棒・溶接部の性質及び検査」の問題を12問掲載しています。 本番の出題数は9問です。すべての問題に「なぜそうなるか」「ここだけ覚える」の解説と、根拠となる出典を付けています。 このうち12問は、法令の条文や公的な技術資料にあたって内容を確認済みです。
▶この科目だけ5問解く(無料・登録不要) 「溶接棒・溶接部の性質及び検査」から5問・約3分。終わると弱いところが分かります溶接棒:心線は「極軟鋼」、強さは「被覆剤」から
心線の炭素量は少なく、硬化割れを防ぐ
図を拡大する +この科目を5問解く →掲載問題(全12問)
選択肢を考えたあと、「答えと解説を見る」を開いて確認できます。
軟鋼用被覆アーク溶接棒の心線に含まれる炭素量について、適切なものはどれか。
- 一般の炭素鋼材より多く含ませて、強度を高めている
- 炭素量は溶接のしやすさに影響しない
- 炭素は全く含まれていない
- 一般の炭素鋼材より少なく抑えられており、急冷された際の溶接部の硬化割れを防いでいる
- 0.5%程度と多めに含まれている
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正解 4一般の炭素鋼材より少なく抑えられており、急冷された際の溶接部の硬化割れを防いでいる
炭素が多いと急冷で硬くなって割れやすいため、心線はわざと炭素の少ない鋼で作られています。
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心線に含まれる硫黄やりんは有害成分で、量が増えると溶接金属の機械的性質や耐割れ性を悪くします。
軟鋼及び高張力鋼用の被覆アーク溶接棒について、適切なものはどれか。
- 合金成分は主として心線から添加している
- 心線は使わず、被覆剤だけでできている
- 心線にはステンレス鋼を用いている
- 極軟鋼の心線を用い、合金成分は主として被覆剤から添加している
- 高炭素鋼の心線を用いている
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正解 4極軟鋼の心線を用い、合金成分は主として被覆剤から添加している
心線は割れにくい軟らかい鋼にしておき、強さを出すための成分は被覆剤の側から溶接金属に加えます。
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心線は被覆剤とともにアーク熱で溶融し、接合しようとする継手を溶着する役割を持ちます。
低水素系の被覆アーク溶接棒の特徴として、適切なものはどれか。
- 溶接金属の機械的性質は、他の系統より劣る
- 溶接金属中の水素が最も多く、割れやすい材料には使えない
- 溶接金属中の水素が最も少なく、割れ感受性の高い材料に適しているが、アークスタートに難がある
- アークスタートが最も容易である
- 下向姿勢では使用できない
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正解 3溶接金属中の水素が最も少なく、割れ感受性の高い材料に適しているが、アークスタートに難がある
被覆剤に水分のもとが少なく、割れの原因になる水素を抑えられる代わりに、アークの出だしが不安定になりがちです。
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溶接金属の機械的性質は最も優れています。ブローホールが入りやすい面もあり、使用前の乾燥が特に大切な溶接棒です。
鉄粉酸化鉄系の被覆アーク溶接棒が適している溶接として、正しいものはどれか。
- 立向・上向を含む全姿勢の溶接
- 薄板の上向溶接
- 高張力鋼の全姿勢溶接
- 配管の裏波溶接
- 下向溶接及び水平すみ肉溶接の1パス溶接
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正解 5下向溶接及び水平すみ肉溶接の1パス溶接
厚い被覆に鉄粉を多く含み、溶ける量が多い分だけ、使える姿勢は下向き系に限られます。
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酸化鉄を主成分に多量の鉄粉を加えた厚被覆の溶接棒で、能率のよい溶接ができます。
被覆アーク溶接棒の被覆剤の働きとして、適切なものはどれか。
- 溶接金属を急冷して硬化させる
- 溶融金属に水素を供給して流動性を高める
- 電流を増幅してアークを強くする
- ガス化して中性又は還元性の雰囲気を作り、大気中の窒素や酸素の侵入を防いで溶融金属を保護する
- 大気中の窒素を積極的に取り入れて、強度を高める
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正解 4ガス化して中性又は還元性の雰囲気を作り、大気中の窒素や酸素の侵入を防いで溶融金属を保護する
被覆剤が燃えてできるガスの傘が空気を遮り、溶けた金属を守ります。窒素も酸素も入れないのが役目です。
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このほか、アークの発生・持続を容易にし、スラグを作って急冷や大気との接触を防ぎ、精錬作用で不純物を減らし、合金元素を添加する働きがあります。
「溶着金属」の説明として、正しいものはどれか。
- 溶接部の表面を覆うスラグ
- 溶接棒や溶接ワイヤなどの溶加材から溶接部に移行した金属
- 溶接中に溶融凝固した金属の全部(母材の溶けた分を含む)
- 開先面に残った母材のこと
- 熱影響を受けた母材の部分
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正解 2溶接棒や溶接ワイヤなどの溶加材から溶接部に移行した金属
溶接棒の側から来た金属だけを指す言葉です。母材の溶けた分まで含めると「溶接金属」になります。
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溶接金属は溶着金属と溶融した母材が混ざったもので、一種の鋳造組織を示し、母材よりやや硬さが高くなります。
溶融部に近接する熱影響部の組織と性質について、適切なものはどれか。
- 組織は変化するが、性質は全く変わらない
- 必ず軟化して、強度が下がる
- 過熱組織のため結晶が粗く、硬さが高くなる
- 母材と全く同じ組織のままである
- 結晶が細かくなり、硬さは低くなる
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正解 3過熱組織のため結晶が粗く、硬さが高くなる
融点近くまで加熱された部分は結晶粒が成長して粗くなり、急冷で硬くなります。
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単層溶接の溶接金属は、断面で見ると樹枝のような柱状(デンドライト)の組織を示します。
溶接部の低温割れの発生に関与するものとして、適切なものはどれか。
- 溶接部に侵入した酸素
- スラグに含まれるチタン
- シールドガスのアルゴン
- 被覆剤に含まれる鉄粉
- 溶接部に侵入した拡散性水素
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正解 5溶接部に侵入した拡散性水素
水素が溶接部にたまり、硬くなった組織や強い拘束と重なって、冷えてから割れを起こします。
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低温割れにはルート割れやビード下割れがあります。予熱や低水素系溶接棒の使用が防止に有効です。
超音波探傷試験の特徴として、適切なものはどれか。
- 超音波の進行方向に垂直な面状のきずは検出できない
- 表面に開口したきずしか検出できない
- 溶接部の強度を直接測定できる
- 放射線透過試験より厚い材料にも適用でき、超音波の進行方向に垂直な面状のきずの検出に適している
- 磁性体の材料には適用できない
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正解 4放射線透過試験より厚い材料にも適用でき、超音波の進行方向に垂直な面状のきずの検出に適している
音の反射で探す方法なので、進む向きに正対したきずほどよく跳ね返り、見つけやすくなります。
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放射線透過試験に使うγ線はX線より波長が短く透過力が大きい一方、きずの識別度は劣ります。
ボイラーの突合せ溶接継手の試験片に対する引張試験について、適切なものはどれか。
- 厚さのために切り分けた試験片は、1本でも合格すればよい
- 引張強さが母材の常温における引張強さの最大値以上でなければ合格しない
- 試験成績が規定の50%以上あれば、再試験を行うことができる
- 不合格の場合の再試験は、一切認められない
- 不合格となった場合でも、その原因が母材の欠陥にあるときは、当該試験を無効とすることができる
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正解 5不合格となった場合でも、その原因が母材の欠陥にあるときは、当該試験を無効とすることができる
溶接の良否を調べる試験なので、母材そのものの欠陥で落ちたときは、やり直しが認められます。
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切り分けた試験片は全部が合格する必要があります。試験成績が規定の90%以上のときは、再試験を行うことができます。
溶接によるひずみを防止する方法のうち、導熱法の説明として、適切なものはどれか。
- 溶接によるひずみの方向と大きさをあらかじめ推定し、その分だけ反対方向に曲げておく方法
- 溶接部の裏側に銅板などの熱伝導の良い板を当てたり、水をかけて冷却したりして、ひずみを減少させる方法
- 1回の溶接での入熱量を少なくし、多層盛りとする方法
- ドラムのようなものをローラにかけて、生じたひずみを修正する方法
- 溶接部をハンマなどで軽くたたいて、残留応力を減らす方法
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正解 2溶接部の裏側に銅板などの熱伝導の良い板を当てたり、水をかけて冷却したりして、ひずみを減少させる方法
熱を素早く逃がせば、母材の温度差が小さくなります。温度差が小さければ、冷えるときの縮み方の差も小さくなります。
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あらかじめ反対に曲げておくのが逆ひずみ法です。ひずみの修正には、ひずみ取りローラ、ピーニング、線状加熱などの方法があります。
溶接部の磁粉探傷試験の説明として、適切なものはどれか。
- 溶接部を磁化した後に磁粉を散布し、磁粉の付着状況によって、表面または表面からごく浅い部分のきずを探知する
- 溶接部に放射線を当て、透過写真によって内部のきずを調べる
- 溶接部に浸透液を塗り、現像液を用いてきずを浮き出させて調べる
- 溶接部に超音波を送り込み、反射の様子から内部のきずを調べる
- 溶接部を切り出して研磨し、顕微鏡で金属の組織を調べる
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正解 1溶接部を磁化した後に磁粉を散布し、磁粉の付着状況によって、表面または表面からごく浅い部分のきずを探知する
磁石にしてから鉄粉をまくと、きずのある所で磁力線が乱れて鉄粉が集まります。その模様できずが分かります。
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非破壊試験では溶接部の強度は分かりませんが、表面や内部のきずを検出できます。浸透探傷試験は表面に開口したきずが対象で、非磁性体を含むあらゆる金属に応用できます。
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問題データ最終更新:2026-08-14