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特別ボイラー溶接士 溶接施行方法の練習問題12問

特別ボイラー溶接士の試験科目「溶接施行方法」の問題を12問掲載しています。 本番の出題数は10問です。すべての問題に「なぜそうなるか」「ここだけ覚える」の解説と、根拠となる出典を付けています。 このうち12問は、法令の条文や公的な技術資料にあたって内容を確認済みです。

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図解

アークの性質:約6000℃、交流は明滅、直流は磁気吹き、極性で発熱が変わる

鉄アークの温度は約6000℃。電極間にアークを発生させると両極面に電極点(輝く部分)ができる。交流アークは電流が周波数の2倍の回数で零になり明滅するので維持が難しい→無負荷電圧を直流より高くし、高周波電流を併用して安定化。直流アーク溶接機は磁気吹きを起こしやすい(電流の向きが一定で磁界のかたよりが解消されない)。力率の問題がなく無負荷電圧は交流より低くできる。三相不平衡は交流側の欠点。直流アークの熱は陽極側60〜70%・陰極側25〜30%。非消耗電極式(ティグ・プラズマ)は棒マイナス(電極の消耗を抑える)。ミグ溶接は棒プラスで、被覆アーク溶接の約6倍の電流密度(細いワイヤに大電流)。
ここを押さえる

非消耗電極式の直流溶接は棒マイナスを用いる

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掲載問題(全12問)

選択肢を考えたあと、「答えと解説を見る」を開いて確認できます。

問1溶接用ジグ一次情報で確認済み

溶接用ジグの使用目的として、適切なものはどれか。

  1. 溶接電流の変動を抑える
  2. 溶接棒の乾燥状態を保つ
  3. ブローホールの発生をなくす
  4. 製品の寸法精度を向上させる
  5. トウクラックを防止する
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正解 4製品の寸法精度を向上させる

なぜ?

部材を正しい位置に固定して組み立てるための道具なので、寸法の精度が上がります。

ジグの目的は寸法精度向上・ひずみ防止・工数節減
関連知識・ひっかけを読む

溶接のひずみ防止や作業工数の節減にも役立ち、同一製品を多数作る場合に向いています。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問11(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問2アークの性質一次情報で確認済み

直流電源を用いるティグ溶接やプラズマアーク溶接のような非消耗電極式の溶接法で、一般に用いられる極性はどれか。

  1. 一定時間ごとに極性を切り替える
  2. 棒プラス(電極をプラス側にする)
  3. 棒マイナス(電極をマイナス側にする)
  4. 電極は電源につながない
  5. どちらの極性でも差はない
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正解 3棒マイナス(電極をマイナス側にする)

なぜ?

発熱の大きい陽極側を母材にすることで、タングステン電極の消耗を抑えられます。

非消耗電極式の直流溶接は棒マイナスを用いる
関連知識・ひっかけを読む

直流アークの熱は、一般に陽極側が60〜70%程度、陰極側が25〜30%程度の配分になるとされています。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問12(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問3アークの性質一次情報で確認済み

交流アークの性質として、適切なものはどれか。

  1. 周波数の半分の回数だけアークが明滅する
  2. 磁気吹きが直流より起こりやすい
  3. 電流が周波数の2倍の回数で零になるため、アークが明滅して維持が難しい
  4. 電流が常に一定で、アークは直流より安定している
  5. 陽極点と陰極点がそれぞれの電極に固定されている
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正解 3電流が周波数の2倍の回数で零になるため、アークが明滅して維持が難しい

なぜ?

交流は1サイクルの間に電流の向きが2回入れ替わり、そのたびに電流が零になってアークが消えかけます。

交流アークは周波数の2倍の回数で明滅する
関連知識・ひっかけを読む

このため無負荷電圧を高くしたり、高周波電流を併用したりしてアークの安定を図ります。磁気吹きは、むしろ直流で起こりやすい現象です。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問12(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問4用語一次情報で確認済み

イナートガスアーク溶接の「クリーニング作用」の説明として、正しいものはどれか。

  1. アークの作用によって酸化皮膜が除去され、母材の表面が清浄化される現象
  2. ワイヤブラシで開先を磨いておく作業
  3. 溶接後にスラグをはがして仕上げる作業
  4. 溶接後に酸で表面を洗う処理
  5. シールドガスの風でスパッタを吹き飛ばす現象
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正解 1アークの作用によって酸化皮膜が除去され、母材の表面が清浄化される現象

なぜ?

アークそのものが表面の酸化皮膜を壊して取り除いてくれる働きです。

クリーニング作用=アークが酸化皮膜を除去する現象
関連知識・ひっかけを読む

アルミニウムなど、酸化皮膜の強い金属の溶接で特に重要になります。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問13(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問5用語一次情報で確認済み

溶接部の高温割れの説明として、適切なものはどれか。

  1. 凝固割れとも呼ばれ、代表的なものにビード中心の縦割れや硫黄割れがある
  2. 常温で長期間たってから生じる
  3. 拡散性水素が主な原因で生じる
  4. 代表的なものにルート割れやビード下割れがある
  5. 溶接後、温度が300℃以下に下がってから生じる
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正解 1凝固割れとも呼ばれ、代表的なものにビード中心の縦割れや硫黄割れがある

なぜ?

溶接金属が固まる途中の、延性の乏しい温度域で生じる割れなので「凝固割れ」と呼ばれます。

高温割れ=凝固割れ。縦割れ・硫黄割れが代表
関連知識・ひっかけを読む

ルート割れやビード下割れは低温割れです。低温割れには拡散性水素や熱影響部の硬化、強い拘束が関係します。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問13(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問6溶着法一次情報で確認済み

溶着法の「後退法」の説明として、正しいものはどれか。

  1. 溶接線を適度に断続して、飛び石状に溶着を進める方法
  2. 2層以上を積み重ねて溶接する方法
  3. 溶接方向と溶着方向が同一になるように溶着する方法
  4. 溶接線の長手中央部から両端に対称的に溶接する方法
  5. 溶接方向と溶着方向とが反対になるように溶接する方法
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正解 5溶接方向と溶着方向とが反対になるように溶接する方法

なぜ?

進んでいく向きと、ビードを置いていく向きを逆にする方法です。

後退法=溶接方向と溶着方向が反対
関連知識・ひっかけを読む

終端に近い部分のひずみや残留応力を、前進法より少なくできます。中央から両端へ対称に進めるのは対称法(振分け法)です。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問14(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問7予熱一次情報で確認済み

ボイラーの溶接で予熱を行う目的として、適切なものはどれか。

  1. スパッタの発生を完全になくす
  2. アーク電圧を下げて電力を節約する
  3. 溶接金属の量を減らして能率を上げる
  4. 溶接時の冷却速度を遅くして、残留応力やひずみを低減させる
  5. 冷却速度を速くして、溶接部の硬さを高める
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正解 4溶接時の冷却速度を遅くして、残留応力やひずみを低減させる

なぜ?

あらかじめ温めておくと急冷が避けられ、縮み方が穏やかになって応力やひずみが小さくなります。

予熱は冷却速度を遅くし残留応力・ひずみを低減
関連知識・ひっかけを読む

予熱は品物又は溶接部の周辺に均一に加熱し、溶接中も予熱温度以下に下がらないようにします。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問16(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問8裏波溶接一次情報で確認済み

ボイラー配管の突合せ溶接で行われる裏波溶接の一般的な方法として、適切なものはどれか。

  1. 第1層を被覆アーク溶接で行い、2層目からティグ溶接で仕上げる
  2. 裏側から先に全層を溶接しておく
  3. 開先の精度は特に問わなくてよい
  4. 第1層をティグ溶接で裏波溶接し、2層目からは被覆アーク溶接で溶接する
  5. 全層をガス溶接で行う
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正解 4第1層をティグ溶接で裏波溶接し、2層目からは被覆アーク溶接で溶接する

なぜ?

裏側まできれいに溶かし込むのが得意なティグ溶接を1層目に使い、あとは能率のよい被覆アーク溶接で積み上げます。

裏波溶接は1層目ティグ・2層目から被覆アーク
関連知識・ひっかけを読む

裏波溶接では、開先の精度を特に高くする必要があります。インサートリングを用いる方法もあります。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問17(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問9サブマージアーク溶接一次情報で確認済み

サブマージアーク溶接で溶接電流が大きすぎる場合に起こることとして、適切なものはどれか。

  1. 余盛りが不足して、アンダーカットだけが生じる
  2. ビードが平らになり、欠陥は生じなくなる
  3. 余盛りが過大になり、V形開先では梨形ビードになって高温割れを起こしやすい
  4. 溶込みが浅くなって、融合不良になる
  5. アークが消えて溶接できなくなる
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正解 3余盛りが過大になり、V形開先では梨形ビードになって高温割れを起こしやすい

なぜ?

電流が大きいと溶ける量と溶込みが増えすぎて、幅の狭い深いビードになり、中心に割れが出やすくなります。

電流過大→余盛り過大・梨形ビード・高温割れ
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V開先の開先精度は、一般に開先角度が±5°以内、ルート面が±1mm以内、ルート間隔が0.8mm以内とされています。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問18(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問10タック溶接一次情報で確認済み

被覆アーク溶接におけるタック溶接(仮付け溶接)の留意点として、適切なものはどれか。

  1. すみ肉溶接の溶接線上に必ず行う
  2. ビードはできるだけ短く、5mm程度にする
  3. 応力集中が起こる箇所をできる限り避ける
  4. 開先内のタック溶接は、そのまま本溶接の一部とするのが原則である
  5. 裏はつりする部分には行ってはならない
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正解 3応力集中が起こる箇所をできる限り避ける

なぜ?

仮付けは小さくて急冷されやすい溶接なので、力の集中する場所に置くと割れの起点になります。

タック溶接は応力集中箇所を避ける
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すみ肉溶接の溶接線上もできる限り避けます。両側突合せ溶接では、あとで裏はつりして除かれる部分に行います。ビードの長さは板厚に応じて20〜50mm程度です。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士 問20(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問11アークの性質一次情報で確認済み

溶接における「磁気吹き」の説明として、適切なものはどれか。

  1. 溶接棒の被覆剤がアーク熱で気化して、保護ガスを出す働きをいう
  2. アーク流が、電流の磁気作用によって動揺する傾向をいう
  3. 溶接中に金属粒やスラグが飛び散ることをいう
  4. アークの熱で母材の一部が溶けて、溶融池ができることをいう
  5. 溶接部に強い風が当たって、シールドガスが吹き飛ばされることをいう
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正解 2アーク流が、電流の磁気作用によって動揺する傾向をいう

なぜ?

アーク流は電子とイオンの流れ、つまり電流です。電流は磁気の力を受けるので、向きが振られます。

磁気吹きは磁気作用でアーク流が動揺すること
関連知識・ひっかけを読む

直流アークでは、陽極点は比較的広い面積が輝き、電極を移動すると陽極点もそれについて移動します。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士(令和7年10月公表) 問12(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)
問12サブマージアーク溶接一次情報で確認済み

サブマージアーク溶接の施工要領で、継手の両端に付けるタブ板の役割として、適切なものはどれか。

  1. 溶接後の残留応力を測定するための目印にする
  2. 溶融した溶接金属が裏側へ垂れ落ちるのを防ぐ
  3. ビードの始端および終端がタブ板の上にくるようにして、欠陥の出やすい部分を継手の外へ出す
  4. フラックスが散らばらないように、囲いをつくる
  5. 溶接中の熱を逃がして、母材のひずみを小さくする
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正解 3ビードの始端および終端がタブ板の上にくるようにして、欠陥の出やすい部分を継手の外へ出す

なぜ?

溶接の始まりと終わりは、溶込みが安定せず欠陥が出やすい部分です。捨て板の上で始めて終わらせ、あとで切り落とします。

タブ板は始端・終端を継手の外へ出すための捨て板
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試験片を取り付けた場合を除き、必ず付けます。U形開先による厚板の多層溶接では、開先角度10〜20度、開先幅28〜40mm程度が望ましいとされています。

出典:安全衛生技術試験協会「公表試験問題」特別ボイラー溶接士(令和7年10月公表) 問18(https://www.exam.or.jp/lckohyo/ で公開・正解つき)

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掲載問題は公式過去問の転載ではなく、同じ論点を問うオリジナル問題です。 内容には万全を期していますが誤りが含まれる可能性があります。受験にあたっては必ず公式資料をご確認ください。
問題データ最終更新:2026-08-14